強い紫外線や汗や汚れなど、お肌は毎日ストレスにさらされています。
日焼け止めや化粧品で対策はしているけど、それはそれで、ニキビなど肌トラブルの原因になってしまわないか心配です。
では、ストレスからお肌を守りつつニキビ対策をするためには、何に気を付ければいいのでしょうか?
それはズバリ!お肌の“ターンオーバー”を意識することです。
スキンケアに気を使っている方ならご存知の言葉だと思いますが、ターンオーバーとはいったいどんな仕組みで、どのような効果があるのでしょうか?
今日はターンオーバーの仕組みと、その影響についてご説明したいと思います。
ターンオーバーってどんな仕組み?
“ターンオーバー”とは、私たちのお肌で常に起きている“生まれ変わり現象”のことです。
ターンオーバーは皮膚の表面である“表皮”と呼ばれる場所で起こる現象で、28日周期で進行すると言われています。
表皮は下図のような構造をしています。
◆ターンオーバーは以下のように進行します
①基底層で生成された角化細胞(ケラチノサイト)は、保湿成分を含みながら成長し、お肌の表面に向かって押し上げられていきます。そして、約14日で角質層に達します。
②角質層に到達したケラチノサイトは、乾燥や外部刺激から皮膚を守る役目を果たします。
③角質層到達から約14日経過したケラチノサイトは、やがて乾燥して皮膚から剥がれ落ちます。これがいわゆる“垢”です。
角化細胞が生まれてから、垢となって剥がれ落ちるまでの周期を“ターンオーバー”と言い、この活動によってお肌のコンディションを保っているのです。
ターンオーバー周期の乱れはお肌に悪影響?
美しいお肌を保つために欠かせない“ターンオーバー”ですが、その周期が正常に保たれることが理想です。
一般的に28日周期と言われているターンオーバーですが、その周期は、早すぎても遅すぎてもお肌には悪影響だとされています。
ではターンオーバーの周期が乱れると、お肌にどのような影響があるのでしょうか?
ターンオーバー周期が早まるとどうなるの?
先程ご説明したように、基底層で生成された角化細胞は、14日間かけて角質層に辿り着きます。
その間に角化細胞は、保湿成分であるNMF(天然保湿因子)やセラミドを作るという大切な役割を担っています。
しかしターンオーバー周期が早まると、この役割が不十分な状態で角質層に到達してしまいます。
つまり保湿力が未熟な細胞が角質層に到達し、皮膚を充分に守ることができず、お肌の乾燥を招いてしまうのです。
乾燥したお肌はバリア機能も低下するため、紫外線などの外部刺激にも太刀打ちできません。
その他にも、毛穴が広がりニキビができやすくなるなど、肌トラブルが起きやすい状況を招いてしまいます。
ターンオーバー周期が遅くなるとどうなるの?
早過ぎると細胞が未熟になってしまうターンオーバー周期ですが、反対に遅くなり過ぎることもあります。
「それなら細胞がしっかり発達して、お肌に良いんじゃないの?」なんて思ったら大間違いです!
ターンオーバー周期が遅くなると角質層の代謝が悪くなり、本来剥がれ落ちてしまうはずの老廃物が、お肌の表面に溜まってしまいます。
その結果お肌はゴワゴワと硬くなり、乾燥も進んでバリア機能の低下やクスミを引き起こします。
また、角質と一緒に汚れも溜め込んでしまうので、炎症やニキビなどの肌トラブルの原因にもなるのです。
このような状態が続くとお肌の生まれ変わりも遅くなるため、ニキビ痕が消えにくくなる大きな要因でもあります。
ターンオーバー周期が乱れると、お肌はこうなる
ターンオーバー周期の乱れによって起こる肌トラブルには、以下の症状があります。
- 皮脂でベタついたり、乾燥したりする
- ニキビが治っても、違う場所に繰り返しできる
- ストレスなどでもニキビが増えやすくなる
- 生理前にニキビが悪化する
- ニキビが治った後も、ニキビ痕が消えない
これらの症状は、老廃物の代謝がうまくできていないお肌に多いトラブルです。
ターンオーバー周期を正常化することは、ニキビ対策には必須だと心得ましょう!
ターンオーバー周期はどうして乱れるの?
皮脂のベタつきや乾燥、ニキビなどの肌トラブルを招いてしまうターンオーバー周期の乱れですが、どのような原因で起こるのでしょうか?
早まる要因、遅れる要因をそれぞれ見てみましょう。
ターンオーバー周期が早まる5つの要因
ターンオーバー周期が早まる要因は、以下の5つが考えられます。
≪その1:ニキビなどの炎症≫
お肌が不潔な状態が続くと、ニキビなどの炎症性皮膚疾患に繋がります。
炎症性皮膚疾患はターンオーバー周期を著しく加速させることが分かっており「ニキビ対策=ターンーバー周期の正常化」、「ターンオーバー周期の正常化=ニキビ対策」という、切っても切り離せない関係なのです。
≪その2:ゴシゴシ洗顔≫
ニキビ対策としてお肌を清潔に保つには、洗顔が欠かせません。
しかし汚れをしっかり落とそうと“ゴシゴシ洗顔”をするのはNGです。
皮膚の中でも顔は、特に薄い部位で摩擦に弱いです。
ゴシゴシ洗って過剰に角質が取れてしまうと、基底層が慌てて未熟な角化細胞を送り込んでくるため、ターンオーバー周期を早めてしまいます。
清潔を保つための正しい洗顔方法は、下記を参考にしてください!
≪その3:過度の摩擦≫
「その2」でもお話しした通り、過度の摩擦は必要以上に角質を取り去り、未熟な角化細胞の供給につながります。
ゴシゴシ洗顔以外にも、美容施術のケミカルピーリング後にターンオーバー周期が早まる傾向が分かっています。
ご自身でセルフピーリングを行う際も、ピーリング剤の量や行う間隔など、摩擦が過剰にならないように注意してください!
≪その4:紫外線≫
人間の体を作るためには欠かせない紫外線ですが、その必要量は「手のひらくらいの面積で10分程度」なのだそうです。
それ以上に浴びてしまう紫外線は細胞を破壊してしまうため、お肌は角質を厚くすることで紫外線に対抗しようとします。
しかし角質が厚くなると、毛穴に皮脂が詰まりやすくなり、ニキビなどの肌トラブルを招きます。
「その1」でもお話しした通り、ニキビなどの炎症性皮膚疾患はターンオーバー周期を早める一因です。
日差しが強い夏はもちろん、曇りや冬の日でも、紫外線対策は常に意識しましょう。
≪その5:生活習慣≫
睡眠不足や偏った食習慣、喫煙の習慣などは、お肌に限らず、体全体に悪影響を及ぼします。
以下の生活習慣がある方は、ターンオーバー周期が乱れている可能性大です!
当てはまる場合は改善を心掛けましょう!
- 睡眠時間が不規則、または慢性的に不足している
- ジャンクフードや栄養の偏った食生活をしている
- 喫煙や飲酒の習慣がある
- 便秘がちである
- 極端なダイエットをしている
- 運動不足である
- むくみや冷えの症状がある
生活習慣を改善したい方は、コチラの記事がおすすめです!
ターンオーバー周期が遅くなる4つの要因
ターンオーバー周期が遅くなる要因は、以下の4つが挙げられます。
≪その1:洗顔が不充分≫
充分な洗顔ができていないお肌は、古い角質が溜まり分厚くなった状態です。
新しい角質細胞もどんどん供給されるため角質の渋滞が起こり、お肌の生まれ変わりも遅くなってしまいます。
また、洗顔が不十分なお肌は清潔とは言えず、その状態が続くと炎症を起こすことがあります。
炎症性皮膚疾患はターンオーバー周期を早める傾向があるので、どちらにしても注意が必要です。
≪その2:化粧品の油分が多い≫
化粧水をつけた後の乳液や保湿クリームにはお肌に必要な水分を閉じ込める役割がありますが、乾燥を防ぐためにとても重要なこれらの化粧品には、油分が多く含まれています。
そのため必要以上に塗布してしまうと酸化して皮脂汚れになったり、角質の剥がれ落ちを阻害したりして、かえってお肌に悪影響を及ぼしかねません。
毛穴の詰まりや溜まった角質はターンオーバー周期を遅らせる原因なので、油分を含んだ化粧品は、なるべく使用量を守ってお使いください。
≪その3:ホルモンバランスの影響≫
こちらは女性に強く影響を及ぼす要因です。
女性は生理を境に、分泌されるホルモンの種類が変わります。
生理が終わってから排卵までの間に多く分泌されるのがエストロゲンで、コラーゲンやヒアルロン酸などお肌の健康に効果的な成分の合成を促してくれます。
一方、排卵から生理が始まるまでの間に多く分泌されるプロゲステロンは、皮脂の分泌を増やすなどお肌のバリア機能を低下させる働きがあります。
エストロゲンが多い時期には好調なお肌も、プロゲステロンが増えるとターンオーバー周期が遅れがちになるのです。
≪その4:加齢による影響≫
ターンオーバー周期は、加齢と共に速度が遅くなります。
なぜなら、皮膚の新陳代謝が加齢によって衰えるからです。
年齢を重ねたお肌はだんだんと角質が厚くなり、水分量も低下していきます。
そのため加齢によってターンオーバー周期が遅くなったお肌は、放っておくとシミや黄色みが出始め、老け顔になってしまうのです。
加齢によるターンオーバー周期の遅れをカバーするためには、若いうちから保湿を心掛けたスキンケアをするのがおすすめです!
まとめ
ターンオーバーはお肌の生まれ変わりを意味し、美しいお肌を保つためには欠かせない活動です。
しかしターンオーバー周期はちょっとした習慣で乱れることも多く、正常に戻さないと肌トラブルを招くこともあります。
ターンオーバー周期を正常に保ち続けると、シミやくすみ、ニキビ痕を早く目立たなくしてくれますので、ニキビに負けないお肌を作るためには欠かせないポイントです!