意外と知らない、乾燥肌の原因と間違ったスキンケア

肌トラブルの原点は「乾燥肌(ドライスキン)」

あらゆる肌トラブルの原因を探ると、ほぼ必ずと言っていいほど「乾燥肌」にたどり着きます。肌トラブルを根本的に解決するためには、まず乾燥肌対策が重要なカギとなります。

乾燥肌が原因の肌トラブルと言えば、代表的な例だと以下の3つがあります。


・ニキビ

余分な皮脂が毛穴に詰まってニキビが発生することから、乾燥肌だとニキビはできにくいと思われがちですがこれは間違い。

肌が乾燥していると、紫外線やホコリなど外部からの刺激や汚れから肌を守るためのバリア機能が低下し、ニキビなどの炎症を引き起こす原因になります。

また、乾燥していると肌のキメが粗くなって毛穴が固くなり、皮脂が詰まりやすくなります。

・シワ

乾燥肌の悩みと言えば、一番わかりやすいのがシワ。

肌内部の水分やコラーゲンなどが不足すると、肌自体に弾力がなくなります。
そうなると本来ターンオーバーによって剥がれていく角質(古い皮膚)が肌表面に溜まり、
皮膚に厚みが出て固くなった結果、シワのような状態になります。

・シミ

乾燥していない正常な肌の場合、紫外線などでシミの素となる細胞が肌内部で生成されても、ターンオーバーにより皮膚の外へ押し出され剥がれていきます。

しかし、乾燥するとターンオーバーが滞り、シミの素となる細胞が肌内部に溜まっていき、それが色素沈着を起こしてシミとなります。


トラブルのない美肌を目指す・保つために欠かせないのが、誰の肌にも備わっているターンオーバー機能。
このターンオーバーをしっかり機能させ続けるために欠かせないのが、肌を十分に保湿することです。

ターンオーバーについては下記のページをご参照ください。

ターンオーバー(皮膚の生まれ変わり)– スキンケアの基礎

ニキビ・シワ・シミ以外にも、粉ふき肌や皮膚のタルミ・くすみ・毛穴の開き・日焼けなどによる炎症など、あらゆる肌トラブルの原因は乾燥肌にあります。

乾燥肌にならないために、乾燥を招く原因をご紹介します。

保湿対策の前に知っておきたい乾燥肌の原因

ニキビやシミ・シワなどの肌トラブル続きだったり、乾燥肌を実感しているからと言って、とりあえず保湿化粧品などを揃えようとしていませんか?保湿をいくら行っても、乾燥肌の根本的な原因を解決させないと保湿ケアの効果が出ません。

まずは以下の乾燥肌の原因の中から、自分に心当たりのあるものを探してみてください。

肌に負担のかかる洗顔やスキンケア

乾燥肌の一番身近な原因と言えば、まずは「間違った洗顔方法」と「過度なスキンケア」です。

  • 肌を常に清潔に保ちたいがために、頻繁に洗顔を行う
  • ニキビが増えないよう皮脂のないサッパリとした状態を保ちたい
  • 保湿クリームをたっぷり付けて肌に蓋をしたい
  • 角質・角栓ケアでピーリングなどを利用している

上記のような洗顔やスキンケアは、かえって乾燥してしまいトラブル肌を招きかねません。

過剰な洗顔は乾燥肌の大敵

毎朝毎晩、洗浄力の強い洗顔料でしっかりと洗顔をすることは、肌表面の余分な皮脂だけでなく必要な皮脂までも洗い流してしまいます。

また、ゴシゴシと時間をかけて洗顔したり、42℃以上の熱いお湯で洗い流したりするのも、必要な皮脂を落としてしまう原因です。

シートタイプやオイルタイプのメイク落としなど、洗浄力が比較的強いクレンジング剤も注意が必要です。

必要な皮脂までも落としてしまうと、肌のバリア機能(皮脂膜)が低下して肌内部の水分が蒸発してしまいます。
洗顔料を使用した洗顔は、しっかり泡立てた泡で肌を傷めないよう丁寧に、ぬるま湯でしっかり洗い流すようにしましょう。
顔の水分を拭く時は、毛足の長いタオルで軽く抑えて拭き取るようにしましょう。

肌に負担をかけない正しい洗顔方法は、下記のページをご参照ください。

正しい洗顔方法が肌トラブルを解決。美肌に導く3つのポイント。

保湿クリームの間違った使い方で乾燥肌に…

乾燥肌対策と言えば、油分たっぷりの保湿クリームを念入りに塗り込むこと。しかし、この認識には大きな落とし穴があります。

保湿クリームを塗ると肌表面に油分の膜のようなものができ、潤っていると錯覚してしまいます。しかしクリームの本来の役割は「水分の蒸発を防ぐ」こと、すなわち皮脂膜の働きを補うことです。

肌に浸透して保水力を保持するコラーゲンやヒアルロン酸などを補うのは、化粧水や美容液などの役割です。スキンケアの一般的な使用手順が化粧水→美容液→クリームとなっているは、最後にクリームで蓋をして美容成分が肌に行き渡るよう、化粧水などの蒸発を防ぐためです。

洗顔後の肌は、非常に乾燥して潤いを求めている状態です。その状態で保湿クリームを塗り込んでも、肌の表面がクリームの膜で保護されているだけで肌内部は乾燥したままです。

保湿クリームは水溶性の化粧水や美容液などのスキンケアをしっかりと行ってから塗るようにしましょう。

角質・角栓ケアが肌トラブルへ

タマゴ肌や毛穴レスを目指したスキンケア(角質・角栓除去など)を行うと、皮膚に厚みが出てターンオーバーが乱れ、乾燥肌の原因になります。ニキビ痕対策などのピーリングも同様です。

角質・角栓ケアを行うと皮脂膜ごと無理矢理皮膚を剥がすので、毛穴も開いて肌内部の潤いが蒸発しやすい状態となります。必ずアフターケアには水溶性の化粧品を肌にたっぷりと馴染ませ、毛穴を引き締め保湿するようにしましょう。
角質・角栓ケア、ピーリングのやり過ぎも注意してください。ケア後の肌表面はツルツルときれいになって気持ちいいのですが、肌内部ではターンオーバーの乱れが起きています。

肌は強制的に剥がしてしまった皮膚を補うよう、細胞の生成を促します。
急速に生成された皮膚は未熟な状態で保水力やバリア機能が不十分のため、乾燥肌になる他にも紫外線から守るには不十分な皮膚であったりと、あらゆる肌トラブルを招きます。

角質・角栓ケアやピーリング後は必ず保湿することと、ケアのやり過ぎに注意するようにしましょう。

保湿マスク・パック・シートの使い過ぎは要注意!?

保湿のマスク・パック・シートなどの取り扱いは、注意が必要です。

まだマスクがひたひたに潤っているからと言って、使用方法記載以上の時間置くのはかえって乾燥を招きます。

使用方法記載の時間がまだ経過していなくてもマスク自体に乾きを感じれば、すぐに剥がしてください。マスクに肌の水分が逆に奪われたり、マスクを剥がす際に必要な角質も一緒に剥がれてしまう場合があります。

保湿マスクなどを効果的に使うには、洗顔後に化粧水などで肌を整えてからマスクを乗せ、規定時間内に剥がしてまた化粧水などで整えることです。マスクの上から美顔器によるイオン導入を短時間で行うのも、効果的な方法の一つです。

一年中浴びている紫外線による影響

紫外線を浴びることも、乾燥肌へと繋がります。

紫外線は真夏の強い日差しだけでなく、曇りの日でも冬のどんよりとした日差しでも、一年中降り注いでいるものです。生活していく上で、私たちは紫外線を常に浴びています。

紫外線は、肌の潤いを保つためのコラーゲンを破壊し、バリア機能を低下させます。バリア機能が低下したことにより肌内部の水分が蒸発してしまい、紫外線から肌を守るために角質がどんどん蓄積され、肌表面を固くします。

肌の表面が溜まった角質で厚く固くなると化粧水などが浸透しにくくなり、肌内部の水分が不十分になってさらなる肌トラブルを招きます。

紫外線を浴びると、肌はこのような現象で乾燥肌になり、ニキビやシワ・シミ、炎症などを引き起こす要因となります。

曇りでも日差しが弱まっていても、太陽からの紫外線は常に降りそそいでいます。乾燥肌にならないためにも、紫外線対策は季節に関係なく常日頃から意識することが大事です。

ライフスタイルで乾燥肌が決まる

睡眠不足・運動不足・喫煙・ストレス・偏った食事など、普段の生活の中でも乾燥肌を招く要因はあります。

睡眠不足やストレスは、正常なターンオーバーを保つために必要な「成長ホルモン」の分泌を妨げる原因になります。
ターンオーバーの乱れが古い角質を肌表面に蓄積させて皮膚を厚くしたり、水分を保持する能力を備えた皮膚細胞の生成を阻害し、乾燥肌になります。

睡眠不足の場合、昼寝でカバーしていても改善はされません。生活スタイルに合わせ早寝早起きでスッキリと目覚めることができる、長時間で良質な睡眠をとるようにしましょう。

運動不足・喫煙は新陳代謝下げ、血流を悪くして体外に老廃物を排出する機能を衰えさせます。
肌のターンオーバーもこの影響を受け、正常に機能しなくなります。

偏った食事は、肌の潤いに必要なたんぱく質や亜鉛、ビタミンなどの栄養素の不足や、ターンオーバーを阻害する要因になります。
詳しくは下記のページをご参照ください。

乾燥を招く3つの食習慣と、うるおい肌を作る5つの栄養素

乾燥肌の悩みは、原因と対処方法の見直しから

乾燥肌とは無縁そうな行いが実は肌を乾燥させる原因であったり、乾燥肌の改善にいいと思ってやっていることが裏目に出ていたり、意外と知られていない乾燥肌の原因はたくさんあります。

上記の他によく体感できる乾燥肌の原因として、体内の水分不足・加齢・外気やエアコンなどによる空気の乾燥も挙げられます。
乾燥肌にたっぷりの保湿クリームを塗ってもいまいち効果が見られないという方は、まず上記の中で心当たりのある原因を対処し、これ以上肌を乾燥させないよう注意しましょう。

対処しきれない場合は、保湿に特化した化粧品で潤いを補いましょう。

肌を潤す際、まずは水溶性の化粧品を肌にたっぷりと浸透させてから、その上から油分などを含んだ保湿クリームを塗りましょう。

水溶性の化粧品には、コラーゲン・ヒアルロン酸・セラミド・エラスチンなどの保湿成分を含んだものが適しています。これらの保湿成分は肌の中にもともとあるものなので、肌に馴染みやすいのが特徴です。

トラブル肌の根本的原因も乾燥肌にあることから、乾燥肌を実感している人もしていない人も、原因を解消して乾燥を予防し、正しい洗顔・スキンケアで潤いのある素肌を心掛けましょう。