お肌がテカテカと油っぽくなってしまう原因には、大きく分けて「生まれつきの脂性肌」と「乾燥からくる皮脂分泌の異常」の2つがあります。
特に「乾燥からくる皮脂分泌の異常」は判断が難しく、脂性肌をなんとかしたいとお悩みの方の多くが実は乾燥という問題を抱えているのです。
乾燥が原因で起こる過剰な皮脂分泌のメカニズム
皮脂の分泌量は男女ともに思春期をピークに少しずつ低下していきますが、20〜30代になっても皮脂でTゾーンがテカってしまったり、化粧崩れやニキビなどに悩まされる場合があります。
その場合は脂性肌ではなく「インナードライ肌」である可能性が高いです。
隠れ乾燥肌とも言われるインナードライ肌とは、肌表面は皮脂でベタつきやテカリがあるのに肌内部の水分が不足している状態の肌をさします。
インナードライの人は、見た目には皮脂分泌があるので脱脂ケアをしてしまいがちな上に、自分の乾燥肌に気づいていないので保湿ケアが怠り気味になってしまうことも。
保湿ケアを怠ることで肌の乾燥が進み、乾燥肌を守るために皮脂の分泌がさらに活発になってテカテカになるのが、乾燥による皮脂の分泌異常のメカニズムです。
インナードライ肌について知りたい方はこちら。
インナードライ肌の見分け方や予防・改善方がわかります。
「やりすぎスキンケア」は、顔がテカテカになる原因です
テカテカ肌を招く肌の乾燥の原因は生活習慣やホルモンバランスの乱れ、食生活など様々ですが、その中でも気をつけたいのが間違った「やりすぎスキンケア」です。
お肌にいいはず!と思い込みの間違ったスキンケアは肌の乾燥を招き、顔の皮脂分泌が過剰に働いてしまう原因になってしまうのです。
やりすぎスキンケアの代表3つ
(1)脱脂ケアのやりすぎ
Tゾーンのテカリやベタつきを感じると、どうしても脱脂ケアをしたくなりますが、
- 洗顔のしすぎ
- 油取り紙などで油をふき取ってしまう
と、皮脂分泌が余計に活発になる原因になります。
洗顔やあぶらとり紙などで顔の皮脂を取りすぎてしまうと、肌の乾燥が進み皮脂が必要以上に分泌されて顔が余計にテカってしまうのです。
洗顔は多くても朝晩1回ずつにとどめ、日中の皮脂ケアはティッシュなどで気になる部分を軽く押さえた後に必ずスプレーやミストタイプの化粧水などで水分を補うようにしましょう。
(2)合っていない保湿のやりすぎ
乾燥肌が皮脂の過剰分泌の原因の1つですが、だからと言って合っていない保湿のやりすぎにも注意が必要です。
一般的に普及している保湿ケアは、化粧水・美容液・乳液・クリームなどです。
この中でも、乳液とクリームが曲者。
皮脂分泌が異常になってしまう乾燥肌の原因は、肌の水分量が足りていないことです。
皮脂が十分に分泌されているお肌に油分たっぷりの乳液やクリームを重ねても、皮脂の過剰分泌は治らないうえに化粧崩れや毛穴の詰まりなどを起こしてニキビの原因になります。
保湿にはなるべく油分を含んでいない、保水力の高い美容成分がしっかりと配合されているものを選んで使うようにしましょう。
(3)肌のマッサージのやりすぎ
顔の周辺のリンパやリンパ節の老廃物を流すことで小顔効果や血行促進効果が得られることで人気のフェイスマッサージですが、これもやりすぎると乾燥を招き、皮脂の過剰分泌につながります。
特に多い間違ったフェイスマッサージ法が、
- 力を入れすぎている
- 長い時間やってしまっている
- クレンジング剤や乳液などでマッサージしている
などです。
力を入れすぎた長時間のフェイスマッサージ、マッサージ専用の化粧品以外を使用してのフェイスマッサージは顔のシワやたるみを招く他、肌の擦れなどを引き起こし肌荒れの原因になります。
特に皮脂分泌の過剰で悩んでいる人は、クレンジング剤でのマッサージは厳禁です。
余計な肌荒れや乾燥からくる皮脂の分泌異常の原因になりますので、絶対にやめてください。
クレンジングを使用する際は肌に直接触れないよう、指をやさしく滑らせてメイクとなじませるだけにとどめましょう。
ボディマッサージと違いフェイスマッサージは、痛みを感じない程度に軽く指の腹を滑らせるかプッシュする程度で大丈夫です。
その際には肌との摩擦を軽減する目的で作られたマッサージ用のジェルなどを潤滑剤として必ず使用するようにしましょう。
また、マッサージをするときには手を清潔にしてから行いましょう。
汚れた手で顔周辺に触れるのはニキビなどの原因になります。
皮脂の過剰分泌はニキビやテカリの原因ですが、皮脂がないとお肌のバリア機能が崩れ乾燥や肌荒れなどのトラブルの原因にもなります。
なめらかで美しい肌の維持には、皮脂分泌を正常にすることが大切。
正しいスキンケアで、皮脂分泌を上手にコントロールしましょう。
特に気をつけたい、冬&夏の皮脂分泌コントロール
肌や皮脂分泌の状態は、季節や気候によっても大きく左右されることがあります。
比較的穏やかな気温・湿度の春と秋に比べ、冬と夏は皮脂コントロールに関してトラブルは起こりがちです。
冬と夏、それぞれの皮脂分泌の異常の原因を確認し、対策を練ってみましょう。
冬の皮脂分泌コントロール
冬は1年の中でもぐっと大気中の湿度が下がる上に、室内の暖房やエアコンの影響で肌の乾燥が進む時期です。
そんな冬に額や鼻のあたりにテカりやベタつきを感じたり皮脂の分泌過多でニキビができてしまう場合は、肌に水分が足りていないインナードライ肌かもしれません。
冬の乾燥からくる皮脂分泌の過剰には、基本のスキンケアをおさえることから始めましょう。
まずは洗顔。
日中の額や小鼻などのテカリが気になると洗顔やあぶらとり紙を使いたくなりますが、あぶらとり紙や顔の洗いすぎは肌に必要な皮脂を洗い流してしまうため、余計な乾燥からの顔のテカりを招きます。
しっかりと洗顔料を使用しての洗顔は、1日2回以上はしないよう心がけましょう。
日中の脱脂ケアは、ティッシュなとで軽く押さえるだけで十分です。
その後にはミストやスプレータイプの化粧水・美容液でしっかりと保湿することで、それ以上皮脂が過剰分泌されてしまうことを防ぐことができます。
また、冬の日中に口元やほお、目元などの乾燥を感じてしまう場合は、朝はぬるま湯洗顔に変えてみることも試してください。
適度に皮脂が肌に残ることで乾燥を防ぎ、日中の皮脂分泌を抑える効果が期待できます。
保湿には保水力に優れたヒアルロン酸やセラミドが高配合されたスキンケア用品を選ぶようにしましょう。
なるべくオイルフリーがオススメですが口元やほお、目元などの皮膚が薄く皮脂線が少ない部位には、クリームや乳液などで油分を補ってあげる必要があります。
夏の皮脂分泌コントロール
夏のテカテカ肌も、根本的な原因は肌の水分量が下がってしまったことによる乾燥肌です。
夏の皮脂は汗と混じり合って皮膚表面に広がるため冬に比べてなんとなく潤っているような気がしますが、水分は汗として排出されて行ってしまうので肌内部の乾燥は進んでいます。
また、オフィスや公共交通機関など冷房がかかっている場所では湿度も下がり気味なため、肌の内部はどうしても乾きがちになります。
皮脂分泌が過剰になる人の肌は、水分量が下がり乾燥している状態です。
皮脂分泌が過剰な場合の肌に足りていないのは圧倒的に水分ですので、オイルフリーかつ水分を逃がさないような保水力の高い成分が配合されているスキンケアアイテムがオススメです。
夏は皮脂の分泌が比較的しっかりと行われている上に発汗作用によりお肌全体に広がりやすいのでスキンケアをする際には保湿に乳液やクリームなどは控えましょう。
クリーム系で水分の蒸発を防ぐというよりは、水性で保水力の高い成分で被膜を作り肌の水分を逃がさないで留めておくようにするほうが、夏のスキンケアには適しています。
過剰な油分はニキビを悪化させることがありますし、化粧崩れなどの原因になります。
まとめ
皮脂分泌が過剰だと脱脂ケアに走りがちになりますが、20代以上の皮脂分泌の過剰は乾燥が原因というパターンが多くあります。
まずは毎日行っているスキンケアを、1度振り返ってみること。
お肌のために良かれと思っていたことが、皮脂分泌の過剰を招いていることがあります。
基本的には水分をたっぷりと補給できる、保水力の高いスキンケア用品でしっかりと保湿することが第一。
第二に、皮脂は根こそぎ無くしてしまうのではなく、潤いのある美しい肌のためにも上手に皮脂をコントロールする方法を身につけましょう。