年齢を重ねると気になり出すのが、顔のシワやたるみですよね。
数あるお肌のお悩みの中でも顔のシワやたるみに悩んでいる方の割合は、40代以降では倍ほどに増えるという調査結果もあります。
シワやたるみは加齢と関係深い肌トラブルですが、ではなぜ加齢でシワやたるみは現れてしまうのでしょうか?
その大きな理由は、なんと筋肉と骨にありました。
顔の筋肉が衰えることで生まれる、シワやたるみ
人の顔は30以上の筋肉が複雑に作用しあって表情を作り出しています。
この表情筋と呼ばれる筋肉は、普段の生活では約20〜30%ほどしか使われておらず、使われない筋肉はどんどん衰えていきます。
筋肉は皮膚と直接繋がっているため、筋肉が衰えることは顔のたるみやシワにつながるのです。
特に眼輪筋と口輪筋や頬筋が衰えると、目元のたるみや口元のほうれい線、マリオネットラインなどの目立つシワやたるみになることも。
- 眼輪筋……まばたきなど、目の周りを動かす筋肉
- 口輪筋・頬筋……笑ったり喋ったりするときに主に使う口周りの筋肉
普段の生活では使わない表情筋は、積極的に鍛えていきましょう。
鍛えると言っても、ハードな筋トレが必要なわけではありません。
例えば毎日、ゆっくりア・イ・ウ・エ・オを繰り返すなどの簡単なエクササイズで十分な効果があります。
このときのアイウエオは大げさに、明るい表情で行いましょう。
1音につき10秒程度キープできるといいですね。
鏡を見ながら行うと「きちんと口角は上がっているか」「おでこや眉間など、不自然な場所にシワが寄っていないか」確認しながら行うことができます。
その他には、笑顔をキープするトレーニングも顔のシワやたるみに効果的です。
鏡を見ながら口角をできるところまであげて20秒〜30秒ほどキープします。
この時に上の前歯で下唇を軽く噛む・割り箸を横向きに加えるなどすると、より負荷がかかるので効果が現れやすくなります。
表情筋は鍛えることでフェイスラインが引き締まるなどわかりやすく結果が出るのですが、表情筋は使わないとすぐにまた元どおりになってしまいます。
大切なのは毎日継続することです。
また、表情筋のトレーニングは顔のシワやたるみに効く他、笑顔が魅力的になる効果もあるので、続けることで若々しい印象がさらにアップします。
眉間のシワでお悩みの人が多い表情ジワですが、これは逆に筋肉が緊張した状態が続いたためにできてしまうシワです。
表情ジワの予防には筋肉を緩め、リラックスさせることが有効です。
スマホやパソコンなどの見過ぎで表情が長時間固まっているなと気づいた時には、意識して顔の筋肉を緩めるようにしましょう。
顔のシワをなんとかしようとマッサージをする方もいますが、マッサージは余分な力や摩擦でシワやたるみには逆効果になることが多く、オススメはできません。
どうしてもマッサージをしたい人は、摩擦を起こさないよう必ずマッサージ用のジェルを使用し、優しくさする、あるいはツボを軽くプッシュする程度にとどめましょう。
骨が痩せることで生まれる、シワやたるみ
顔にシワやたるみができるもうひとつの原因は、なんと骨が痩せることにあります。
骨の密度は、40代から50代くらいで一気に降下していく傾向にあります。
骨が痩せると、肌にどういう影響があるのでしょうか?
皮膚は骨を土台にして、筋膜、筋肉の上に付いています。
その土台となる骨の密度が加齢とともに下がり痩せてしまうと、小さくなった土台の分”ゆるみ”が出てきます。
そのゆるみが、空気の抜けかけた風船のように、顔のシワやたるみに反映されてしまうのです。
20代の骨密度と60代の骨密度を比べると、60代の眼窩(眼球がある目のくぼみ)は大きく垂れ下がるため目元の皮膚が垂れてシワが入りやすくなります。
アゴの骨密度は2割も減少するためアゴのたるみやほうれい線、マリオネットラインが目立つようになってしまいます。
骨密度の低下を食い止める運動と食事
加齢とともに下がる骨密度を維持することで、フェイスラインや目元のたるみ・シワを食い止めましょう。
運動
骨密度を維持するためには、まずは運動が有効です。
運動によって骨に刺激や負荷がかかることで、カルシウムが骨に付着しやすくなりますし、血流がよくなることで骨を作る骨芽細胞の働きが活発になります。
日中のウォーキングやジョギングは骨形成に程よい運動です。
ウォーキングやジョギングで足の裏に受けた骨細胞への刺激は、全身の骨へと伝達されるので、顔の骨にも効果があります。
さらに、日光を浴びることでカルシウムの吸収に欠かせないビタミンDを生成することもできるのでおすすめです。
食事
運動の他には、食べ物でも骨痩せを防ぐことができます。
骨にいいといえば、もちろんカルシウムですよね。
カルシウムはミネラルの一種で、骨を作る材料となったり、他にも神経の伝達や筋肉の動きに関係のある大切な栄養素です。
カルシウムの含有量が多く、なおかつ吸収率が多い食材は牛乳です。
その他には小魚や小松菜、豆腐などが挙げられますが、カルシウムは実はなかなか体に吸収しにくい栄養素で、上手に摂取しないと体外へ排出されてしまいます。
そこで取り入れたいのが、ビタミンDです。
ビタミンDはカルシウムを効率よく吸収する手助けをしてくれます。
- 【カルシウムが豊富で吸収率もいい食材】
⇒牛乳・チーズ・ヨーグルト・小魚・海藻など - 【ビタミンDが豊富でカルシウムの吸収を助けてくれる食材】
⇒鮭・さんまなどの魚、干し椎茸・しめじなど
その他コラーゲンはしなやかな骨の形成に役立ちますので、コラーゲンを生成するためのタンパク質やビタミンKも欠かせない栄養素です。
まとめ
顔のシワやたるみの原因として筋肉や骨の衰えの話をしましたが、他にも乾燥や紫外線など様々です。
UV対策や保湿ケアは取り入れている人も多いので、それに加えて筋肉や骨のケアもできるところから始めてみてはいかがでしょうか?