「肌は内臓の鏡」と言われる通り、スキンケアをいくら念入りに行っていても、内臓など体の内部が健康でない状態だと肌が荒れたりなど異常があらわれやすくなります。肌に異常がみられる場所や状態により、どんな内臓疾患を患っているか判断することもあります。
バランスのいい食事をとったり腸内環境を整えたり、美容サプリやドリンクを飲んで体の内側をキレイにすることも美容には重要です。
スキンケアと合わせて美容成分を摂取して体の内側からも美容にアプローチすることを、「内外美容」と言います。
内外美容により改善される肌トラブルは、ニキビや乾燥肌、シミ・シワ・たるみなどのエイジングケア、アトピーや肌の血色をよくするなど、多岐に渡ります。また、肌の表面だけでなく体調不良や肌トラブルを根本から改善させ、肌トラブルの再発や予防も期待できる場合があります。
内外美容を始めるにあたり、体の外側からも内側からも取り入れるのに有効な、代表的な美容成分をご紹介します。
美容成分を体内に摂り入れるには
まずは内外美容における、体内に直接摂り入れる方法としては、主に以下があります。
- サプリメント(カプセル・錠剤・粉末顆粒など)
- 飲料・栄養ドリンク
- ゼリー
- 注射・点滴
サプリメントやドリンク、ゼリーなどは安価で手軽に試せるものがほとんどですが、即効性はなく、定期的に続けることで効果が徐々にあらわれます。
注射や点滴は医療機関で取り扱っており、美容以外にも治療や疲労回復を目的としたものもあります。血液中に投与するので、サプリメントなどよりも効き目が早いものが多く、一時的に効果を発揮させたい場合に有効な手段です。効果を持続させたい場合は、医師と相談の上、定期的に通うことでより美肌と健康を保つことができます。
内外美容にオススメの美容成分
健康と美容の万能薬・プラセンタ
哺乳類の胎盤から抽出される「プラセンタ」は、健康や美容のための有効成分として医療や化粧品、健康サプリなど幅広く取り扱われています。
プラセンタには成長因子やミネラル、アミノ酸、ビタミンなど栄養豊富で、ニキビ・シミ・シワ・乾燥などあらゆる肌トラブルの改善に期待できます。その他にも、疲労の回復や生理痛の緩和、冷え性、更年期障害、アレルギー疾患や慢性肝炎、二日酔いにも効果があるとされています。
プラセンタは大きく分けて動物性と植物性の2種類ありますが、上記のような効果が期待できるプラセンタは動物性プラセンタに限ります。医療機関で治療目的などで使用されるプラセンタも、動物性になります。(注射による治療の場合、ヒトプラセンタが用いられます。)
哺乳類の胎盤ではない植物性プラセンタは別の効果になりますので、プラセンタの製品を選ぶ際は動物性と植物性どちらの由来か注意しましょう。
肌にハリと弾力をもたらすエラスチン
肌をもっちりとさせてハリや弾力をもたらす「コラーゲン」と共に、皮膚などに存在する「エラスチン」という繊維状のタンパク質。肌の弾力性を出す他にも、血管の動きを活発にさせて血液を身体中に送り出すのに、エラスチンは欠かない存在です。
皮膚などに存在するエラスチンは、紫外線に破壊されたり加齢とともに減少します。その結果、肌がたるんでシワが増えたり、首やデコルテに小じわが増えたりする原因になります。
エラスチンは化粧品や美容食品などで補うことができます。
肌の弾力性を向上させハリを与える他に、エラスチンを摂取することで関節痛の軽減や血管の動きの活発化が期待できます。
肌を保護して潤いを保つセラミド
肌には外敵から皮膚を守って肌荒れを防いだり、肌内の水分が蒸発しないようにする「バリア機能」という働きがあります。バリア機能の働きを担っているのが「セラミド」という肌の必須成分です。
セラミドは皮膚の角層に存在し、角層細胞間を潤いで満たします。
セラミドは紫外線などの刺激で壊されたり、加齢などで減少していきます。
セラミドが不足するとバリア機能が低下し、肌荒れや肌の乾燥化が起こり、キメが流れたゴワゴワとした肌になります。
セラミドにはコンニャク、コーン、大豆、米など植物性由来や動物性由来の天然セラミドと、化学合成によるヒト型セラミドなどがあります。化粧品にはこれらのセラミドが配合されています。
また、コンニャクや大豆などの食品にも含まれるため、直接食べることでセラミドを摂取することもできます。なかでも含有量が高いコンニャクがオススメです。
サプリやドリンクなど手軽に摂取できる方法もあります。
美肌作りと言えばビタミンC
ビタミンCは肌にとって様々な効果をもたらしますが、代表的なものとして「抗酸化作用」と「コラーゲンの増殖」があります。
抗酸化作用はアンチエイジング効果が期待できます。紫外線などのダメージによる体内の酸化を防ぎ、シミやシワ、肌荒れの予防になります。
コラーゲンは単体では増殖することはなく、ビタミンCの働きで生成、増殖します。ビタミンCが欠乏すると体内でコラーゲンが作られず、肌の弾力がなくなったり、骨や関節が弱くなったりします。
コラーゲンを口から摂取すると、消化酵素によってアミノ酸やペプチドに分解されてしまいます。コラーゲンとして体内に吸収されないため、ビタミンCを摂取して体内のコラーゲンを生成、増殖を促進させることが効果的といえます。
ビタミンCは肌以外にも、疲労回復や免疫力向上など体力的にも影響を与える働きがあります。
ビタミンCを多く含む食材は赤ピーマン、レモン、キャベツ、キウイなどあります。しかしビタミンCは熱に弱いため、加熱せずそのまま食すのが一番良いとされています。摂取したものは短時間で体外へ排出されてしまうので、一度に沢山摂取せず、こまめに摂り入れるようにしましょう。
ビタミンCのサプリやドリンクでの摂取が手軽でオススメです。
まとめ
内外美容の代表的な美容成分を4つご紹介しましたが、その他にも多くの美容成分があります。抗酸化作用のあるイソフラボンや、腸内環境を整えて肌荒れを防ぐ乳酸菌など、身近な食材から摂取できる成分が配合された化粧品も多く存在します。
体内に美容成分を取り入れることは、血管のアンチエイジングにも繋がります。血管を強化することで血の巡りがよくなり、肌や内臓など全身隅々まで栄養分が行き渡るようになります。美肌を促す他に、血行がよくなって代謝が上がり、内臓機能の向上、心疾患の予防など、健康面も改善することができます。
化粧品やエステなど肌の上からの美容だけに頼るのでなく、美容成分を摂取して体の内側からも美しくなることが美肌への近道です。