目の周りの乾燥は正しい保湿対策で−5歳顔に

乾燥が気になる季節になると、まず一番わかりやすく顔に出るトラブルが目の周りや目元。
目尻の小じわ、目元のクマやくすみ、まぶたのシワなど、目の周りには肌トラブルがつきものです。

また、目の周りは人目に付きやすく目立ち、老け顔に見えてしまうことも。目の周りや目元はエイジングケアでも欠かせない部位です。

乾燥で老け顔に見えたり印象が変わらないよう、目の周りを中心にしっかり保湿対策を行いましょう。

目の周りが乾燥しやすい原因

乾燥すると、目の周りがカサカサしたり小じわやくすみが目立ってくる原因は何なのでしょうか?

目の周りは頬やあごなど他の部位と比べて皮膚が薄く、その分肌の水分を蓄える角質層も他の皮膚と比べると薄くなっています。顔の皮膚に軽く触れた時、頰などと比べると目の周りはすぐ骨に当たって弾力を感じないことが、皮膚が薄い証拠です。
そのため目の周りは肌の水分量が低く、皮脂腺も少ないため、もとから乾燥しやすい性質があります。

また、保水力が低く皮脂の分泌量も少ないので、目の周りは他の部位と比べてバリア機能が弱く、肌内部の水分が蒸発しやすくなっています。

肌の「バリア機能」の重要性については、以下のページをご参照ください。

皮膚のバリア機能 – スキンケアの基礎

目の周りの乾燥を招く外的要因

目の周りはバリア機能が弱いため外部からの刺激を受けやすく、それが乾燥へ繋がるケースがあります。

外部からの刺激には以下のような要因があります。

  • 目や肌に当たる紫外線
  • 乾燥した空気
  • 掻いたり擦ったり摩擦をかける
  • ファンデーションやアイメイクなどの化粧品類
  • 花粉によるアレルギー
  • パソコンやスマートフォンなどのブルーライト

紫外線が目や目の周りに与える影響は、肌が日焼けしてカサカサと乾燥してシミやシワができる仕組みと同じ状態です。
目が乾燥してドライアイになったり、皮膚が薄い目の周りはシミやシワが出やすくなります。

メイクは化粧品そのものの成分が肌に負担をかけるため、皮膚の薄い目の周りはその影響が受けやすく、乾燥へと繋がります。

また、メイクする時やクレンジングの時にこすったり摩擦をかける行為も、目の周りには刺激となって乾燥化や小ジワを招きます。
目の周りは顔の皮膚で特に皮膚が薄い分、些細な刺激や摩擦でも負担がかかり、影響を受けやすく現れやすい部位です。

肌トラブルが気になるからと、目の周りに過剰なケアをしたり構い過ぎたりするのも要注意です。ケア化粧品の刺激や塗り込んだ時の摩擦は、返って小ジワが増えたりタルミが目立ってしまうような逆効果を招く場合もあります。

他の部位と比べてデリケートな目の周りは、擦ったりして皮膚を動かさず、丁寧にケアするようしましょう。

目の周りの乾燥が招く肌トラブル

目の周りは皮膚が薄く保水やバリア機能も他の部位と比べて弱いため、乾燥するとすぐ肌トラブルとして現れることがあります。

特に現れやすい肌トラブルには、以下のようなものがあります。

  • 目尻、まぶたの小ジワ
  • 目元のクスミ
  • まぶたや目元のタルミ
  • 目の下のクマ
  • 目の周りのシミ
  • 目尻が下がる

いずれも、パッと見てすぐ気付くような目立つ肌トラブルばかりです。

目の周りが乾燥してターンオーバーが正常に機能しなくなると、肌の表面に古い角質がたまっていきます。古い角質がたまると肌のトーンが落ちてくすみ、シミが目立つようになります。また、肌の乾燥化がさらに進み、表面の皮膚が固くなって小ジワやタルミが目立つようになります。

40代以降の女性は要注意

肌トラブルは、加齢と共に増えていきます。

特に40代半ば〜後半頃の女性は、体内の女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量の減少が原因、更年期障害と共に肌トラブルが起こりやすくなります。

「エストロゲン」が減少すると、肌内部の保水力やコラーゲン生成の機能が低下します。これらの機能低下により、肌の乾燥化が進んでターンオーバーが乱れ、目元のタルミ、クスミ、小ジワ、シミが増えていきます。

目の周りの肌トラブル対策

目の周りは皮膚が薄く顔の中では一番繊細な部位のため、乾燥対策にも注意が必要です。

目の周りの洗顔は慎重に

まず、スキンケアの基本の洗顔方法にも注意が必要です。

洗顔し過ぎると必要な皮脂も洗い落としてしまい、肌の乾燥化を防ぐバリア機能が損なってしまいます。熱いお湯ですすぐことも、皮脂を洗い落としてしまう要因です。
人肌ぐらいのぬるま湯で、洗顔回数は1日1回(夏場など汗をかいた日でも2回ぐらい)にしましょう。

また、手や指で直接顔に摩擦をかけてゴシゴシ洗ったり、洗顔後の水分をゴシゴシと拭くことも、乾燥につながります。
目の周りは特に、摩擦をかけて皮膚を動かさないようたっぷりの泡で丁寧に洗ってください。水分を拭き取る時も、なるべくふわふわのタオルで上から軽く押さえるようにしてください。

正しい洗顔方法が肌トラブルを解決。美肌に導く3つのポイント。

スキンケア化粧品は目の周りに適したものを

目の周りに塗るスキンケア化粧品には様々な種類がありますが、乾燥している場合は使用する時に注意が必要です。
代表的な保湿剤にヒアルロン酸・コラーゲン・セラミドなどがありますが、これらの化粧水を塗布した後は、アイクリームやオイルなど油分を含んだ化粧品を上から塗布するようにしましょう。
水溶性の化粧水や美容液をたくさん塗布しても、目の周りは皮膚の薄く保水力がないので、浸透しきれないことがあります。
浸透した化粧水などが蒸発しないよう、その上からクリームなどを塗布して蓋をすると、より効果的になります。

また、クリームはなるべく油分量が少なく硬さのない、なめらかで伸びが良いものを使うようにしましょう。いくら保湿性の高いクリームでも、油分量が多いと肌本来の皮脂分泌機能の妨げになり、硬くて伸びが悪いと、肌にクリームを伸ばした時に摩擦がかかってシワになる原因となります。

また、栄養美容成分がたっぷり配合のこってりとしたクリームの使用も、注意が必要です。

栄養と美容成分など様々な成分が豊富に配合されていると、栄養過多で肌に合わない場合があります。特に、皮膚が薄い目の周りは他の部位と比べて敏感であり、頰などに塗布して問題がなくても、目の周りだけに異常がみられる場合があります。赤くなったり、白いプツプツが出たり、かゆみが出たりします。

肌が弱い人は化粧品を使用する前にパッチテストを行いますが、目の周りが気になる方も使用する前に一度、パッチテストを行うと良いでしょう。

目の周りのツボ押しで美肌

目の周りには眼精疲労の他に、くすみ、タルミ、小ジワの改善や肌の活性化など、美肌へ働きかけるツボがあります。目元などの血行もよくなり、クマの解消やリフトアップ効果もあります。

ツボは親指や人差し指の腹でゆっくり優しく押してください。ギュッと強く押したり、擦るようにグリグリと押すとシワのもとになるので、注意してください。

睛明(せいめい)

目頭と鼻の間くらいにある、わずかなくぼみのツボです。血流をよくするので、ハリやくすみ改善の他にも眼精疲労・ドライアイ・目の充血を改善します。

瞳子りょう

目尻から1cmほど外側のわずかなくぼみのツボです。目の疲れ改善、肌の乾燥・目のタルミ・目尻の小ジワを改善します。

球後(きゅうご)

目尻と、正面を見た時の黒目との間の下にあるツボです。目の周りの血流を良くし、むくみやたるみを解消します。

四白(しはく)

正面を見た時の、黒目の下から1cmほど真っ直ぐ下にあるツボです。目の下のクマやたるみ、むくみを解消します。パソコンやスマホなどでの疲れ目にも有効です。

肌トラブルが起きやすく保水が苦手な目の周りのケア

目の周りは顔の部位で一番繊細であり、肌トラブルが起こると目立って目に付きやすい場所です。皮膚が薄い目の周りは、他の部位と比べると水分を保持する機能が低く、肌の水分の蒸発や外的から皮膚を守るバリア機能も弱くなっています。
それを補い、より乾燥化させないために、正しい洗顔や保湿は欠かせないものです。

目の周りの皮膚を指などで引っ張ったり擦ったりしないよう、優しくスキンケアしてあげるよう心掛けましょう。