花粉による肌荒れ「花粉皮膚炎」の対策と改善方法

秋や春の季節の変わり目になると、肌の調子が悪くなることがありませんか?
夏の強い日差しによる紫外線や、冬の厳しい乾燥などの影響で肌が疲れ、秋や春になる頃にそれぞれの影響が肌トラブルへと繋がる場合があります。

しかし、これらの他にも季節による肌トラブルの主な原因に「花粉症」があります。
2月中旬頃からのスギ花粉、8月下旬頃からのブタクサやイネの花粉など、受ける症状の重さには個人差がありますが、その時期になると風邪のような症状や目、鼻、肌の痒みが出てきます。
花粉の影響で肌が荒れて化粧品類がしみたり、メイクがうまく乗らなかったり、炎症を起こして赤くただれてしまうこともあります。

花粉症は現代の国民病とも呼ばれており、年齢に関係なく誰にでもいつでも起こりうるアレルギーです。発症するタイミングには個人差があり、一度発症すると治ることはほぼありません。しかし、症状を緩和させたり、時期によって症状の表われ方に差が出ます。

花粉症による肌のお悩み、肌荒れの改善方法をご紹介します。

花粉症が原因の肌荒れとは?

花粉症は通常、くしゃみやサラサラな鼻水、目の痒みが主な症状だと思われています。
しかし、花粉症による影響は肌荒れとして表れる場合もあります。

  • 肌の表面がヒリヒリとする
  • 目の周りや鼻、頰や首などに赤みがある
  • 化粧水などが肌にピリピリとしみる
  • 蕁麻疹のような痒みがある
  • 肌の表面が赤くなったりカサついている

秋口や春先に上記のような症状を感じたら、花粉症の一種「花粉皮膚炎」の可能性があります。
くしゃみや鼻水が出るのと同じように、肌の表面に付着した花粉に体が過剰に反応してアレルギーを起こしている状態です。

花粉による肌荒れを放置していると症状が広がったり化膿したり、色素沈着を起こしてシミやシワの原因にもなります。
アレルギー反応を起こしている部分は皮膚のターンオーバーが正常に行われず、花粉の時期は刺激を受け続けて肌がただれた状態になります。

花粉による肌荒れを防ぐには

飛散している花粉から身を守る

花粉皮膚炎の症状の度合いや出かたは、その日の花粉量や気候、場所などによって変化します。
雨が降った翌日や強風の日、気温が高く湿度が低い日は花粉の飛散量が多くなると言われています。このような日はなるべく外出を避けたり、部屋の窓を開けないようにしましょう。

また、外出の際はなるべく花粉が肌に直接付着しないよう、帽子・マスク・メガネ・タイツなどを着用して肌の露出を避けましょう。服装は革やレザーなど、表面がツルツルとしている素材で花粉の付着を防ぐものを選びましょう。静電気を抑えたり花粉をガードするスプレーを服の上から噴射することも効果があります。
外から室内に入る際、衣類などに付着している花粉をドアの外で落としてから入室するようにしましょう。

顔や体、髪の毛などに付着した花粉は、帰宅後すぐシャワーなどで洗い流すとよいでしょう。外出先で全身を洗い流せない場合は、手洗い・うがい、可能であればぬるま湯で洗顔をしましょう。洗顔ができない場合は、化粧水や精製水を顔に軽くスプレーして、ティッシュオフしてください。顔の静電気が抑えられ保湿もされるので、メイク直しの時にもこの方法はオススメです。
肌に髪の毛先が当たっている部分も、肌荒れとなる場合があります。髪の毛はなるべく肌に直接当たらないよう、髪をまとめるなどしましょう。

その他に、下着や布団やシーツなど肌に直接触れるものやセーターなど静電気が発生しやすい洋服は、洗濯して外に干すと花粉が付き、皮膚炎が悪化する恐れがあります。天気がよくても花粉が飛散する時期はなるべく部屋干しにしましょう。

プラセンタで花粉皮膚炎を改善

肌の万能薬と呼ばれる「プラセンタ」には、免疫力を高めて炎症を抑える効果があります。
体の内側と外側からプラセンタを摂取することで、花粉のトラブルを防いだり改善することが期待できます。

プラセンタには動物性や植物性、ヒトや豚、馬由来など様々な種類があります。
ヒトプラセンタは医療用に限られるため、吸収性が高く手に入りやすい豚プラセンタがオススメです。
植物性のプラセンタは安価ですが、胎盤ではなく胚芽から作られた製品が多く、擬似的なプラセンタであり本来のプラセンタとは効果が異なります。植物性のプラセンタではなく、動物性プラセンタを摂取するようにしましょう。

プラセンタについて詳しくは、以下のページをご参照ください。

美肌の万能薬 プラセンタの種類と効果

プラセンタを体内に取り入れる場合はカプセルやドリンクが手軽です。
プラセンタには炎症を鎮静させたり保湿効果もあります。花粉で肌が炎症している部分や、かゆみや赤み、ガサガサと乾燥した肌にプラセンタの製品を塗布することも効果的です。

食事で花粉皮膚炎を改善

花粉症や花粉皮膚炎は、食べ物から栄養素を取り入れることで症状を和らげる効果があります。
普段の食事で腸内環境を整えることで免疫力が高まり、症状の改善が期待できます。

1. 発酵食品

腸内環境を整えてくれるのは「善玉菌」です。この善玉菌は、主に発酵食品に含まれています。
発酵食品にはヨーグルト、チーズ、ぬか漬け、納豆、キムチ、塩麹などがあります。その他に、ヤクルトやカルピスなどの乳酸菌飲料にも含まれています。
ただし、これらを一度にたくさん摂取するとカロリー過多になるので、毎日少しずつ摂取して続けることが大切です。

2. 食物繊維

発酵食品で取り入れた善玉菌は、そのままではお腹の中で増えていきません。善玉菌を活性化させて増やすためには、「食物繊維」の摂取が必要不可欠です。
食物繊維は主に、にんじんやゴボウ、レンコンなどの根菜や、インゲン、きな粉などがあります。
腸の調子を整えるために、発酵商品と一緒に食物繊維も毎日摂取するようにしましょう。

3. 花粉症と言えば甜茶

花粉症の改善に良いとされる甜茶(てんちゃ)は、花粉皮膚炎などのアレルギー反応のもととなる「ヒスタミン」の分泌を抑制する働きがあります。
中国では薬草茶として古くから伝わり、自然な甘みのある健康茶として親しまれています。
健康茶なので即効性はありませんが、花粉の症状を感じる時期より1ヶ月程前から飲み始めると効果的です。

また、鰯や鯖などの青魚にも「ヒスタミン」を抑制する成分が含まれています。花粉症の時期は肉類よりも青魚を食べるよう心掛けてみてはいかがでしょうか。

4. 揚げ物や動物性タンパク質の食べ過ぎに注意

花粉の症状を緩和させる食材があれば、逆に悪化させる恐れのあるものもあります。
高カロリー・高タンパクな食事ばかり続けていると、アレルギーが悪化すると言われています。
脂身の多い肉類やマーガリン、生クリーム、スナック菓子、揚げ物などの食品は食べ過ぎないよう注意しましょう。

花粉皮膚炎にならないために

花粉皮膚炎の一番の大敵は「乾燥」です。
春は一年の中で特に乾燥する時期であり、さらに季節の変わり目は肌が敏感になるため、どうしても花粉によるアレルギー症状が出やすい環境になります。
花粉になるべく触れないようにすることが大切ですが、室内に入ってきた花粉が飛散しないよう加湿を十分に行ったり、ホコリが溜まらないよう小まめに掃除することも花粉対策になります。

また、健康的な肌に備わるバリア機能が発揮できるよう、体の内側からも外側からも保湿を行うことも花粉対策に繋がります。水を摂取したり、肌への保湿を小まめに行うようにしましょう。

ただし、花粉皮膚炎になりやすい時期は肌が敏感になっているため、必ずしも花粉が原因でない場合もあります。
炎症を起こした部分が真っ赤になったり痒みが酷くなってしまったら、すぐに皮膚科へ行きましょう。