女性の肌と切っても切り離せない関係にあるのが、生理周期です。
生理周期によって女性のホルモン分泌のバランスは大きく変化し、それにともない肌のコンディションも変化します。
生理周期は意外にも、よくわかっていない人や間違って覚えている人が多いことも。
周期別に気をつけたいスキンケア方法を知ることで、疲れ知らずのもちもち肌を手に入れましょう。
生理周期とスキンケアの関係について
女性の生理周期に大きく関係しているのが、エストロゲンとプロゲステロンというホルモンで、この2つのホルモンの分泌バランスが変わることで、肌や体の調子も変わってきます。
エストロゲンは卵胞ホルモンとも言われ、体を女性らしく成長させるために欠かせないホルモンです。
思春期のころから分泌が始まり、30代半ばまで活発に分泌され、40代ごろから分泌が減少していきます。
プロゲステロンは黄体ホルモンとも言われ、子宮内膜を受精卵が着床しやすい状態に柔らかくしてくれるホルモンです。
排卵のタイミングで分泌量が増加し、約1週間ほど分泌が多い状態を維持したのち分泌量が下がり、役目を終えた子宮内膜が剥がれ落ちることで生理が始まります。
エストロゲンとプロゲステロンの分泌のバランスは生理期間中はほぼ一定して少ないですが、生理終了後からエストロゲンの分泌が活発になってきます。
この期間は人にもよりますが、だいたい10日程度。
生理終了10日後からエストロゲンの分泌は減少していき、それに伴って今度はプロゲステロンの分泌が増加していき、プロゲステロンは次の生理開始まで活発に分泌されます。
エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が活発な期間を卵胞期、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が活発な期間を黄体期と呼びます。
エストロゲンはコラーゲンの生成や自律神経を安定させる作用があることから、エストロゲンの分泌が多い卵胞期は肌の調子が安定しやすいと言えます。
対してプロゲステロンは皮脂の分泌を促す作用があるため、プロゲステロンの分泌が多い黄体期は顔のテカリやニキビ、肌のターンオーバーがうまくず肌トラブルが多くなる傾向にあります。
「生理前にニキビができやすい」のはこのためです。
特に口の周りやあごやなどのフェイスラインはプロゲステロンの影響を受けやすい部位です。
ただ、エストロゲンやプロゲステロンなどのホルモンの分泌は目に見えてわからないので「今が何期?」というのは判断しにくいですよね。
そんな時に役に立つのが、基礎体温です。
基礎体温はエストロゲン/プロゲステロンが正常に分泌されていると、体温が生理周期に合わせて変動し、低温期と高温期の2層に分かれます。
生理期間中とエストロゲンが優位な時は体温は低く、排卵日付近にはさらに一段体温が下がります。
そこからプロゲステロンの分泌が優位になると体温はグッと上昇し、高温期になります。
大体の目安として、低温期は卵胞期/高温期は黄体期と思っておくといいですね。
また、基礎体温をつけることで自身の排卵状況や生理の日が簡単にわかるようになります。
基礎体温の基本的な測り方
基礎体温は朝1番に舌の下に体温計を当てて測ります。
基礎体温には1分程度で測る予測式と、5分ほどしっかりと測る実測式がありますが、実測式の方が正確ですので時間に余裕のある人はしっかり5分の実測式で測る癖をつけましょう。
寝返り一つでも体温は上昇しますので、なるべく体は動かさないままリラックスするといいですね。
体温の変動はふり幅が狭く、変動しても0.5度程度です。
基礎体温は小数点第2位まで測れる、基礎体温専用の体温計を使用しましょう。
測った体温はグラフに書き込むと一目で低温期や高温期の期間がわかります。
今は基礎体温を記録しておけるスマートフォンなどのアプリもあるので、活用してみましょう。
生理周期ごとに力を入れたいスキンケアは?
女性の肌はホルモン分泌のバランスによって黄体期・卵胞期・生理期の3つの期間に大きく分けることができます。
それぞれの期間で気にするべきスキンケア、オススメできないスキンケアなどがありますので、1つずつ確認していきましょう。
黄体期のスキンケア
黄体期はプロゲステロンの分泌が活発になっている時期です。
プロゲステロンは皮脂の分泌を促すため、黄体期には以下の肌トラブルが起こりやすい状態になります。
- 顔がテカる
- ターンオーバーがうまくいかないため、肌がゴワつく
- ニキビができたり、悪化しやすくなったりする
- むくみやすい
黄体期には肌に刺激を与えることは避け、刺激の少ないスキンケア用品で丁寧に保湿することを心がけましょう。
どうしても肌の状態が悪くなりがちなので、なんとかしたいという思いから新しい美容液を使ってみよう、なんて気になるかもしれませんが、それはあまりお勧めができません。
新しいスキンケアアイテムを黄体期に試してしまうと、肌トラブルが起きた場合にスキンケアが原因なのかホルモンバランスが原因なのか判断できない場合がありますし、肌が敏感になっているので新しいスキンケアに過剰に反応してしまう場合があります。
黄体期のスキンケアは、なるべくオイル系のクリームや乳液を避けて、刺激のない水溶性の美容液や美容ジェルでしっかりと保湿するようにしましょう。
卵胞期のスキンケア
卵胞期は肌のコラーゲンの生成を促すエストロゲンの分泌が盛んになります。
コラーゲンの生成を促すということは、肌細胞も新しく健康に生まれ変わりやすいということでもあります。
卵胞期には目立った肌トラブルは起こりにくいので、新しいスキンケア用品はなるべく卵胞期に試すといいですね。
また、スクラブやピーリング、シェービングなどを行うのも黄体期よりも卵胞期の方が適しています。
ピーリングやスクラブは月に2回程度を目安に、卵胞期に行うとつるつるもちもちした肌を保つことができます。
生理期のスキンケア
生理期間中は生理痛や経血からくる不快感などで、肌だけではなく体調もすぐれない時期です。
肌が敏感になっている時期ですので、刺激の強いスキンケアはかぶれなどにつながることも。
シェービングなど、刺激の強いスキンケアは避けるようにしましょう。
また、黄体期にできたニキビが治りにくかったり悪化したりすることがあります。
ニキビを早く治す鍵は、肌のターンオーバーにあります。
しっかりと水分で保湿をして、タンパク質やビタミン、鉄分をしっかり摂取して肌のターンオーバーを滞らせないようにしましょう。
まとめ
女性の肌のサイクルは生理周期のホルモン分泌と合わせて黄体期・卵胞期・生理期の3つの期間があります。
この期間は基礎体温を測ることで判別がしやすくなります。
低温期はエストロゲンの分泌が活発になる卵胞期と重なり肌の調子が良く、高温期はプロゲステロンの分泌が活発になる黄体期と重なり皮脂が出やすく肌トラブルが起こりやすい期間です。
生理期は肌が敏感になっているため、刺激になるようなスキンケアは控えるようにしましょう。
なんとなく肌の調子がいい、なんとなく肌の調子が悪い、と感じるのは「なんとなく」ではなく、ホルモン分泌のバランスが隠されているのかもしれません。
ご自身の肌のリズムを把握して、適したスキンケアを行うようにしましょう。