手の印象を左右するパーツ『爪』
前回の記事では、手を滑らかで美しく保つ方法をご紹介しましたが、ハンドケアで欠かせないパーツが「爪」です。
『爪は健康のバロメーター』とも言われ、爪が滑らかで整っていると、手全体が健康的である印象を与えます。
逆に、爪に深い縦筋が入っていたり、乾燥して分厚くなっていたりすると、年齢よりも上に見えてしまうことも。
爪のお手入れには肌と同じく保湿などに気を配る他に、体調をしっかりと管理していくことが大切です。
爪にはその時の体調が顕著に現れる
『爪は健康のバロメーター』と書きましたが、爪には体調の変化や乾燥の状態、病気の有無など様々な情報が現れると言われています。
乾燥
体の乾燥は爪の縦筋や割れ、裂けや2枚爪などとして現れます。
年齢を重ねると爪の縦筋が気になることが増えますが、年齢とともに体の水分保持量が減ってくるためだと言われています。
また、ちょっとした刺激で割れたり、裂けたりしてしまうのも、爪に水分がなく爪の柔軟性が衰えるためです。
また、爪は3つの層で作られていますが、爪が乾燥したり鉄分などの栄養が不足したりすると、層と層の結束が脆くなり爪が2枚に剥がれてしまうことがあります。
体調の変化
爪の状態は体調不良なども関係しています。
例えば横に段のような筋がはいることがありますが、この横筋は内臓に異常があった時に入ることが多い筋です。
爪が生えるスピードは1ヶ月で約3mmと言われていますので、爪の生え際から3mm程度のところに横筋が入っている場合は、およそ1ヶ月ほど前に体調を崩していると言えます。
体調を崩すと、その期間は爪までうまく栄養が行き渡らないので、横筋ができてしまいやすくなるのです。
また、ストレスや自律神経にトラブルが起こっても横筋が入ることもあります。
病気の有無
爪にはその人が抱えている疾患が、色や形の異常となって現れることもあるようです。
爪が全体的に白くなってしまっている人は、肝硬変や鉄欠乏性貧血の疑いがあります。
赤い爪、赤黒い爪は多血症や肝硬変、黒い爪にはガンなどの危険性も孕んでいます。
「爪は健康のバロメーター」をいつも心に留め、何か異変を感じたら病院を受診してみましょう。
爪のお手入れ方法
手先の印象を変える爪の健康状態ですが、爪はしっかりとケアしていくことで、滑らかでツヤのある爪に育てていくことが可能です。
爪の健康を整える
まず一番大切なことは、爪の保湿です。
肌の保湿はなるべく水分を与えるようにしますが、爪の保湿に有効なのは油分です。
ハンドクリームを塗るときには、肌だけではなく、しっかり爪にも塗り込むようにしましょう。
また、爪専用のネイルオイルなども大変効果的です。
最近のネイルオイルはマニキュアの刷毛のように塗りやすくなっているものもあり、こまめに塗り直す負担になりません。
特に冬場は、乾燥からくるくすみや割れを防ぐためにもこまめに塗りなおすことを心がけましょう。
爪の見た目や形を整える
爪の乾燥を防ぐ以外に、爪の見た目や形を整えていくことも美しい印象の手に繋がります。
爪の長さを整える
まず手始めに心がけたいのが、「爪切りを使わない」ことです。
実は爪切りを使うと、爪に大きな負担を与えてしまいます。
爪きりで切りっぱなしにした爪は、3層からなる爪の層が剥がれやすい状態になってしまいますし、物や服の繊維などに引っかかって欠けやすくなります。
爪が伸びてきたら、爪切りではなくネイルファイルで削って形を整えるようにしましょう。
ネイルファイルとは、爪ヤスリのことです。
粗めの面と、細かい面が裏表になっているネイルファイルが1つあると便利です。
まずは粗めの面で大体の長さを整え、細かい面で断面を滑らかにしましょう。
その時には爪の断面に45度の角度になるよう心がけ、ネイルファイルは左右に動かすのではなく、常に一定の方向に動かしてやするようにします。
長い爪を短くする際には、爪切りを使っても構いません。
ただし、爪切りを使った時には、必ずネイルファイルで断面を滑らかに仕上げましょう。
ネイルファイルで整えられた爪はトラブルになることが少ないため爪の強度が上がるうえに、見た目も滑らかで美しくなりますよ。
爪の見た目を整える
爪の見た目を整える方法にはマニキュアやジェルネイルなど様々な方法がありますが、まずは自分の爪を美しく健康に見せる方法からチャレンジしましょう。
簡単に説明すると、爪の表面にやすりがけをして整えます。
爪の長さを調節する際にはネイルファイルを使いますが、表面を滑らかにするときにはもっと目の細かい、ネイルバッファーを使用しましょう。
まずはネイルバッファーで、爪表面の縦筋などを滑らかにしていきます。
この時には力入れず、優しく行うようにしましょう。
爪の縦筋が深い人は、ついつい滑らかにしたい思いから表面を削り過ぎてしまうことがあります。
しかし表面を削り過ぎた爪は薄くなった分強度が下がり、欠けたり裂けたりしやすくなってしまいます。
こまめな保湿を続けていくと、新しく生まれる爪には縦筋ができにくくなってきますので、ケアを始めた時は一気に滑らかにしたい気持ちはグッと抑えましょう。
爪の表面があらかた滑らかになったら、今度はシャイナーと呼ばれるネイルに光沢を出すボードで磨くと、ツヤツヤと美しい爪の完成です。
これはネイルファイルと同じく、バッファーとシャイナーで裏表になっているボードが初めは使いやすいでしょう。
爪の形・表面を整えたばかりの爪は、非常に無防備な状態です。
お手入れの仕上げには必ずネイルオイルやクリームで保湿するようにしましょう。
爪の甘皮は整える?
ネイルケアをインターネトで検索したときによく目にする「爪の甘皮の処理」ですが、健康的な自爪を育てるためには、控えた方が賢明です。
甘皮は、綺麗に処理することで爪が大きく見えたり、ネイルアートの持ちが良くなったりというメリットがあります。
しかしその反面、爪のバリア機能を果たしている甘皮を取り除いてしまうと、爪と皮膚の間に雑菌が入りやすくなるため爪囲炎(そういえん)と言われる炎症を起こすことがあります。
また、甘皮には「生えてきたばかりのまだ柔らかい爪を守る役割」もあるほか「綺麗な状態で新しい爪を生み出す役割」も担っています。
甘皮は、綺麗に取り除いてしまった方が見た目がいいのは事実です。
しかし、しっかりと保湿されている指先の甘皮は白くめくれあがったりはせず、適度にターンオーバーを繰り返し剥がれていくので、切り取るなどの処理をしなくてもさほど気になりません。
まずはしっかりと保湿して、健康な自爪を育てることに注力しましょう。