骨盤は全身を支える土台です。上半身や内臓を支え、歩行による衝撃を和らげる役割を果たしています。
骨盤が歪むと、一体どんな事が起こるのでしょうか?
骨盤が歪む原因
骨盤が歪む原因は様々です。妊娠・出産後や加齢による筋肉低下も原因の一つですが、ほとんどが日常生活の癖の蓄積や筋力の衰えが主な原因で起こるそうです。
- カバンをいつも同じ手でばかり持つ癖
- 左右どちらかに重心をかけて立つ癖
- 足を組む癖
- うつぶせで寝る事が多い
- 怪我をしていてその部分を庇うような動きをし続けている
たとえば、脚を組んで座ると骨盤は斜めに傾き、さらに捻じれた状態になります。筋肉はこの状態のまま体を安定させようとするので、足を組んでいなくても骨盤のゆがんだ状態がキープされてしまう可能性があります。
上記を見て思い当たる人は、目をつむって10秒間片足立ちになってください。左右のどちらかがうまく片足立ちできない場合、骨盤が歪んでいる可能性が高いです。
骨盤の歪みが引き起こすのは体調不良だけじゃない
骨盤が歪むと、不眠や自律神経が乱れ体調不良になりやすくなります。
むくみや便秘、腰痛や肩こり、冷え性など骨盤の歪みが引き起こすのは体調不良だけではありません。
骨盤の歪みで特に引き起こされるのは腰痛でしょう。何故なら、骨盤が歪むと、上半身を支える力が弱まり、腰の筋肉などに大きな負担がかかるからです。
骨盤が歪むと、内臓が落ちて行って胃下垂になる事もあります。
下半身の血行不良により冷え性やシビレを引き起こし、下半身と足首がむくんで太くなり、お尻の形が四角形になってしまいます。
O脚や便秘、だるさ、疲れやすさが増していきます。
骨盤の歪みには4つのタイプがあります。
- 前傾タイプ
- 後傾タイプ
- 開きタイプ
- 左右傾きタイプ
自分の症状と照らし合わせて、骨盤の歪みタイプをチェックしてみるのがいいでしょう。それぞれのタイプの特徴と症状を紹介しますね。
1.前傾タイプ
前傾タイプとは、いわゆる反り腰です。
原因としては筋肉のバランスの崩れや体重の増加、ヒールの高い靴の使用などが考えられます。
腰の反りがきつくなるにつれ神経など圧迫しやすくなります。
慢性的な腰痛、足のシビレ、などが出る場合があり、この状態が続くとお腹が出る、下半身が太くなるなどの見た目上の変化が出てくるでしょう。
2.後傾タイプ
後傾タイプはいわゆる猫背です。
主な原因は筋力の低下、不足などです。慢性的な首肩のこり、頭痛、慢性的な腰痛、膝の痛み、О脚などの症状が起こりやすく、お尻や胸が下がる、下腹が出るなどの見た目の変化が出てくるでしょう。
3.開きタイプ
骨盤が横に開くタイプの歪みです。主な原因は加齢と出産が挙げられます。
骨盤の周りにはいくつかの筋肉があり、骨盤を安定させることによって骨盤腔内の臓器を支える役割を持っています。
しかし、加齢による筋力低下によって骨盤を支えることができ無くなってしまうと、徐々に骨盤が開いてしまい内臓下垂などが起こりやすくなってしまいます。
また女性の場合、赤ちゃんが通る道「産道」を作るために、ホルモンの作用によって徐々に骨盤が開いていきます。その作用は出産後8カ月まで続き、効果が収まると徐々にしまっていきます。
しかし、出産後の骨盤のゆがみは自力で回復する事が難しく、産前よりも開いてしまうことがあるのです。
症状としては慢性腰痛、膝の痛み、股関節の痛み、クッションがない椅子や床に座ると骨が当たって痛いなどが挙げられます。
お尻が大きくなる、下半身が太る、О脚、腰回りに脂肪がつきやすくなるなどの見た目の変化が出やすくなるでしょう。
4.左右傾きタイプ
骨盤を正面から見た時に左右の骨盤の高さが違う状態を指します。
主な原因は、足を組む、あぐらをかく、常に左右どちらかに傾けて重心をかけている事が挙げられます。
症状として、片方に偏った腰痛や首肩、背中の痛み、膝の痛みがあります。
片方のお尻だけ出っ張る、片足だけ少し太い、外反母趾などの見た目の変化が出やすくなるでしょう。
骨盤を正しい位置に戻すには
歪んだ骨盤を正しい位置に戻すには、エクササイズやストレッチがおすすめです。
誰でも簡単に実践できる方法を紹介します。
- 仕事中に超簡単にできるタオルを使った方法
- 内転筋と内旋筋を鍛えるエクササイズ
- お尻歩き
- 腰をひねるストレッチ
- バランスボールを使ってお尻を振る
- 寝る時は仰向けを心がける
タオルを使ってする方法と仰向けに寝る方法なら、簡単だからすぐに実践できそうですよね。
全て実践するのは無理!
という方でも自分がやりやすい方法から試してみてください。
さっそく、やり方を紹介しますね。
仕事中に超簡単にできるタオルを使った方法
- 中ぐらいのタオルをオシボリのように固く丸めます
- お尻の左右の大転子の下に当たるよう斜めにに入れます。
- 骨盤がまっすぐ立ち上がるのを感じながら、位置の微調整をします。
- 大転子の広がりが抑えられて、無理なくキレイな姿勢をつくれます。
内転筋と内旋筋を鍛えるエクササイズ
- 軽くひざを曲げて立ちます
- 丸めたバスタオルをひざより少し上で挟みます
- ひざを伸ばしながら、タオルの後ろ側を内ももでつぶすように力を入れて5秒キープを10回行います
- 途中でタオルを落とさないように、内転筋と内旋筋をしっかり使うよう意識しましょう
- 肛門や腟をシュッと内臓に引き上げるイメージも大切ですね
- 1~5を3回行います
お尻歩き
- 両足をそろえて伸ばし、座ります
- 背すじをしっかりと伸ばした状態で、胸の前で腕を交差させます
- お尻が浮かないように、お尻で歩くように前へと進みます
- 前に6歩、後ろに6歩、
- 1~4を3回行います
腰をひねるストレッチ
- 仰向けになって両ひざを立てます
- 両ひざをくっつけて、顔と体は仰向けのまま、膝だけを右にゆっくりと倒していきます
- 倒しながら息を吐きます
- そのまま10秒静止
- 左も同じようにする
- 1~5を3回行います
バランスボールを使ってお尻を振る
- バランスボールに座ります。この時後ろに倒れないように気を付けてください。
- 両手を太ももの上に置いて、体の中心を意識して、ゆっくりとお尻を左に突き出していきます。
- 右も同じようにします
- 1~3を5回行います
寝る時は仰向けを心がける
骨盤の歪みを防ぐ寝方はできる限り寝返りを打たずに「仰向け」で寝る事です。
仰向けで寝る事によって、骨盤に負担がかかりにくく、視線が悪くなるのを防ぎます。
うつ伏せや横向きは、腰や首回りがねじれた状態になってしまい骨盤が歪む原因となってしまいます。
普段うつ伏せや横向きでねているな、と思った人は仰向けで寝る事を意識してみるのがいいでしょう。
骨盤の位置を正しく戻して健康になろう
骨盤の歪みの原因は妊娠や加齢による衰えもありますが、ほとんどが生活習慣の癖だと言えるでしょう。
この癖を直そうと思う意思がないかぎり、どんなにストレッチや整体に通っても、また骨盤は歪み、体調不良となってしまいます。
骨盤の歪みは体調不良だけでなく、様々な悪い影響を引き起こすため、運動や食事制限等を積み重ねても、痩せやすい体質にはなりにくいと言えるでしょう。
骨盤の歪みと原因となる悪い癖を自覚し、骨盤の位置を正常に戻せば、おのずと健康的で美しい身体に変化していく事でしょう。
ぜひ紹介した改善方法を実践して、骨盤を正しい位置に戻してあげてください。