光老化を徹底解説。活性酸素に負けない強い肌を作る3つのステップ

肌を老化させる原因には加齢はもちろんの事、紫外線の影響がなんと8割にものぼると言われています。

紫外線が当たりやすい顔や首・デコルテライン、手などは光老化の影響でシワやシミができやすく、逆に紫外線が当たりにくい二の腕やふとももの内側などは白くシワが入りにくいのもこの為です。

ではなぜ紫外線は光老化を招くのでしょうか?

主な原因は、紫外線で肌細胞に発生する活性酸素です。

光老化を進めてしまう、『活性酸素』とは

近年よく見かけるようになった美容ワードですが、活性酸素はなぜ老化の原因になるのでしょうか?

活性酸素は喫煙やストレスなどで体内に発生しますが、肌の活性酸素は紫外線が当たることで発生します。
発生した活性酸素はメラニンを生成させ、シミの原因になります。

発生した活性酸素はメラニンを生成させる以外にも肌細胞を酸化させてしまうのですが、この酸化した肌細胞が老化を促進すると言われています。

その中でも、皮脂に含まれるスクワレンや細胞間脂質を構成するコレステロールなどの脂質が酸化したものは過酸化脂質と呼ばれます。
過酸化脂質は肌の免疫力を低下させたりメラニンの過剰生成を促したりする他に、肌表面の過酸化脂質が毛穴の詰まりやニキビなどの肌の炎症を引き起こします。

また紫外線で発生した活性酸素は、コラーゲンなどの肌のハリを維持する真皮を作り出す細胞(線維芽細胞)を萎縮させ、新たなコラーゲンなどの真皮が生成されるのを阻害します。

紫外線はコラーゲンの生成を阻害するだけではなく、コラーゲンやエラスチンなどの肌のハリを維持するたんぱく質を破壊までしてしまうのです。
コラーゲンやエラスチンが破壊された肌は、当然のようにタルんだり、シワができたりしてしまいます。

光老化に負けない強い肌

光老化に負けない強い肌を作る為には、活性酸素とどう付き合うかが大切です。
活性酸素はなるべく発生させないこと。
発生したらそのつど除去していくことが、老化を遅らせるポイントです。

活性酸素を作らない

光老化を引き起こす原因の紫外線をまずはブロックすることが重要です。

まずは紫外線に当たらないこと。
紫外線量が多い午前10時〜午後2時までの時間帯の外出はなるべく避けるか、日傘やUVカット手袋などの対策をとりましょう。

紫外線のうちUVAは窓ガラスを通過して室内にも降り注いでいます。
窓ガラスにUVカットフィルムをはったり、UVカットのカーテンをつけたりと、上手に室内も紫外線に当たらない工夫をしましょう。

お出かけの時には日焼け止めを忘れずに。
日焼け止めは十分な量をこまめに塗りなおすことが重要です。
日常使いならSPF20程度、アウトドアを楽しむ日はSPF50程度と、シチュエーションによって使い分けると肌にも優しいですね。

日に焼けたくない人の、徹底・日焼け対策マニュアル【体の外から編】

活性酸素を除去する

紫外線による活性酸素を発生させないような対策をとっても、全てがをブロックできるわけではありません。
発生してしまった活性酸素は食事で体の中から除去していきましょう。

『抗酸化物質』で活性酸素を除去し、光老化を和らげる

活性酸素は細胞を酸化させてしまうことはお話ししましたが、活性酸素は抗酸化物質を多量に含む食品を摂取することで除去していくことができます。

抗酸化力の高い栄養素には、ビタミンE鉄分リコピンエラグ酸などがあります。


ビタミンE
:抗酸化作用が高く、活性酸素を除去してくれる。ビタミンCと一緒に摂取することで美容の相乗効果あり。
【食材】アーモンド・かぼちゃ・赤ピーマンなど


鉄分
:鉄分の摂取で生成されるカタラーゼという酵素は、紫外線を浴びて発生した活性酸素の除去をしてくれる。鉄分は野菜からも摂取可能だが、魚や肉などから摂取したほうが効率よく吸収される
【食材】カツオ・レバー・牡蠣・ほうれん草など


リコピン
:鉄分と同じくカタラーゼを生成してくれる他、チロシナーゼを抑制しメラニンの発生を防いでくれる。トマトに多く含まれ、熱に強く油との相性もいいので、オリーブオイルと炒めたトマトソースなどから摂取するとOK
【食材】トマト・スイカ・柿など


エラグ酸
(ポリフェノール):強い抗酸化力のある成分。ザクロやいちごに多く含まれるが、果物の果糖のとりすぎは体にあまりよくないので、サプリとの併用が望ましい。
【食材】ザクロ・いちご・ブルーベリーなど

基本は1日3回の食事の中で摂取するように心がけてほしいところですが、エラグ酸など栄養素によっては食品から取るよりもサプリメントからの摂取が望ましいものもあります。

食事とサプリメントはバランス良く活用するようにしましょう。

活性酸素で受けたダメージから回復する

活性酸素を作らない・除去する工夫を凝らしても、発生してしまうのが活性酸素のにくいところです。
じゃあ仕方がないと諦めないで、活性酸素で受けたダメージを回復しやすい肌を日頃から作るようにしましょう。

ポイントは2つ。
コラーゲンとヒートショックプロテインを蓄えておくことです。

活性酸素で壊されてしまうコラーゲンをコンスタントに蓄える

活性酸素は肌のハリを作るコラーゲンを壊してしまいますが、日頃からコラーゲンの生成されやすい肌作りをすることでダメージを最小限に抑える効果があります。

コラーゲンはたんぱく質の一種で、肌の細胞が生まれ変わる(ターンオーバー)ときに一緒に生成されます。

つまり、肌のターンオーバーが滞らないように肌の生まれ変わり周期を整えてあげることで、光老化に負けない肌作りをすることができます。

ターンオーバーの周期を整えるために必要なことは3つあります。

  1. 肌に十分な水分を与えること
    スキンケアには肌に水分をたっぷりと与えてあげられるような、高保湿の化粧水や美容液を使いましょう。
    ヒアルロン酸やセラミドが配合された保湿剤がオススメです。
    クリーム類はコッテリと塗りすぎると、逆にターンオーバーを阻害することがあります。
    ご自身の肌をよく見て、必要な箇所に必要な分だけ薄くのばすようにしましょう。
  2. 新陳代謝を促すこと
    新陳代謝を高めるためには運動などが望ましいですが、プラセンタが配合されたスキンケアも肌の新陳代謝を高め、ターンオーバーを促してくれます。
  3. ターンオーバーに必要な栄養をしっかりと取っていること
    ターンオーバーとは新しい肌細胞を生み出すことですが、その際に欠かせないのがたんぱく質です。
    必須アミノ酸の含まれた質のたんぱく質を毎日意識して摂取するようにしましょう。

コラーゲン配合のスキンケアは、表皮に膜を張ることで保湿の役には経ちますが、コラーゲンが真皮まで浸透してそのまま肌のハリを支えてくれることはありません。

保湿に重点は起きつつも、体の中からコラーゲンの生成をすることを意識するようにしましょう。

ヒートショックプロテインを蓄える

ヒートショックプロテインという言葉をご存知ですか?

ヒートショックプロテインは怪我をした時や熱に反応して生み出されるたんぱく質で、活性酸素によって傷つけられた細胞の修復してくれる働きがあります。

ヒートショックプロテインの簡単な蓄え方は、入浴することです。

週に3回を目安に、41℃くらいの熱めのお湯に10分ほど、しっかりと汗をかくくらい入浴します。
たったこれだけで、ヒートショックプロテインは体内に生成されます。

気をつけるべきポイントは2つです。

  1. 毎日はやらないこと。
    ヒートショックプロテインは1度生成されると2〜3日ほど有効な上に、毎日熱い風呂に入浴すると体が熱になれることで生成されにくくなります。
    熱いお湯に浸かる日以外は、ぬるめのお湯かシャワーですませるようにしましょう。
  2. 長時間の入浴はしないこと。
    長時間の入浴は、肌の保湿成分であるセラミドや皮脂が角質から流れ出て乾燥する原因になってしまうことがあります。
    入浴の時間は約10分程度にとどめましょう。
    10分で汗をかくほど温まることができない場合は、浴室の環境に問題があるかもしれません。
    体調に問題ない場合は全身浴ができる程度のお湯をため、温度が低くないか、浴室自体もしっかり温まっているかなどを確認してください。
    普段あまり汗をかく習慣のない人は、最初は汗が出にくいかもしれませんが続けることでしっかりと汗がかけるようになりますよ。

※入浴の際はしっかりと水分をとって、無理の範囲で行いましょう。

まとめ

光老化の主な原因は、紫外線に当たることで肌に発生する活性酸素です。
つまり、光老化は発生した活性酸素を減らすことで軽減することができます。

まずは活性酸素を発生させないこと。
気をつけていても、活性酸素の発生を100%防ぐことは不可能なので、活性酸素を除去する工夫をすること。
活性酸素で傷つけられても回復できるよう、肌の健康を整えておくことが大切です。

日頃から紫外線に気をつけ、活性酸素に負けない肌作りを心がけるようにしましょう。