女性の美しさを保つ成分として、プラセンタエキスが注目されています。いつまでも若々しく、美しいお肌でいることは女性にとって憧れです。洗顔や基礎化粧品に気を使ったり、食事や睡眠に気を使ったり、日々努力をしている方も多いと思います。10代や20代の頃は毎日のお手入れで充分保てる美しさですが、年齢を重ねるごとに衰えを感じてしまうものです。
そんなときに取り入れて欲しいのがプラセンタエキスです。ここ数年、化粧品やサプリメントの分野ですっかり定番となっているプラセンタエキスですが、その正体を知っていますか?その原料や成分、効能など、意外と知られていないプラセンタエキスについて解説します。
そもそも、プラセンタエキスってナニモノなの?
プラセンタエキスという名前は知っていても、ナニモノなのか知らない!という方もいると思います。実はプラセンタとは、胎盤のことです。お母さんのおなかの中にいる赤ちゃんを包む膜です。胎盤は赤ちゃんを細胞の状態から育てていく場所であり、赤ちゃんに栄養を供給する役割を担っています。その為プラセンタにはたくさんの栄養成分が含まれており、抽出液であるプラセンタエキスにも、体にとって良い効果が期待できるのです。
現在、化粧品などに使われているプラセンタエキスは、豚など動物の胎盤から抽出されたものが中心です。また、人間の胎盤から抽出したプラセンタエキスは、主に医療用として使用されています。
意外と知らない!?プラセンタのプロフィール
美容の世界では、ここ数年アンチエイジングと言う言葉を頻繁に耳にするようになりました。プラセンタエキスはアンチエイジングにも効果があると言われていて、多くの化粧品に配合されています。
しかし、プラセンタという成分を利用し始めたのは、最近のことではありません。実はこのプラセンタ、古代ギリシャ時代から薬として珍重されてきたそうです。
■古代ギリシャ時代のプラセンタ
西洋医学の父と言われ、病気やケガを宗教的な意味合いから切り離して考えた初めの人物が、ギリシャの医師ヒポクラテスです。ヒポクラテスは、体の不調が食生活や生活環境から来ると唱えたことで知られていますが、病気の治療にプラセンタを用いたとの説があります。
また、ヒポクラテス以外では、クレオパトラがプラセンタを摂取していたとの話もあり、当時からアンチエイジング効果が期待されていたようです。
■生薬としてのプラセンタ
古代中国では秦の始皇帝が、プラセンタを「不老不死の薬」として用いていたとの逸話があります。その真相は定かではありませんが、500年以上前の文献にはすでにプラセンタに関する記述があるそうです。中国ではプラセンタのことを「紫河車」(しかしゃ)と呼び、生薬として現代にも伝わっています。
■日本でのプラセンタの歴史
中国や朝鮮の文献に書かれたプラセンタ(紫河車)の記述は海を渡り、江戸時代の日本も影響を受けていたようです。日本では滋養強壮の薬として使われていたそうです。
■現代のプラセンタ
皆さんご承知の通り、現代のプラセンタは美容目的での利用に注目が集まっています。しかし、化学が進歩した現代でも人工的に胎盤をつくることは不可能とされ、特にヒト由来のプラセンタエキスはさまざまな医薬品にも使われる貴重な存在です。
現在知られているプラセンタエキスのこと
医学や科学技術が進歩した現在では、プラセンタエキスの成分分析や利用法の研究が進んでいます。美容効果だけではない、プラセンタエキスの凄さが分かります。
1.プラセンタエキスに含まれる成分
プラセンタには、5大栄養素と呼ばれるたんぱく質、ビタミン類、糖質、脂質、ミネラルが豊富に含まれています。その他にも、酵素やアミノ酸、シアル酸など、人の体を形成する上で欠かせない成分が多いことも特徴です。
2.プラセンタエキスの効能
プラセンタエキスは胎盤から有効な成分だけを抽出し、胎盤の持つ生理活性効果は損なわれていないと言われています。現代医学が発達する前から民間療法として珍重されてきたプラセンタエキスですが、近年では医学的見地からもその有用性が注目されています。その効能は胃潰瘍や十二指腸潰瘍、慢性肝疾患といった内臓系の疾患や、更年期障害、乳汁分泌不全と言った女性ホルモンが関係する疾患などにも効果が期待されています。
3.プラセンタエキスの医学的利用法
内臓系疾患やホルモンバランスの疾患に有効と言われるプラセンタエキスは、注射や埋没法、一般薬品として治療に使われています。医薬品などに使用されているプラセンタの原料は、ヒト由来の胎盤と、動物由来の胎盤が使われている場合があります。日本では2003年の薬事法改正により、ヒト由来の原料を使用する場合には、記録を保管するなどの義務が課されることになりました。そのため現在では、医薬品以外の分野では動物由来の胎盤を原料とするケースが増えています。
また、医療で使われる経口薬でも、ヒト由来の原料を避ける傾向があるようです。
どうしてプラセンタエキスはお肌にいいの?
古くから民間療法でも珍重されてきたプラセンタエキスは、近年の研究でさまざまな効用が明らかになっています。その中には医学の分野以外にも、お肌に良いとされる効用が多く見られます。
プラセンタエキスはお肌にこんな効果がある!
人体にとって有効な成分がたっぷりのプラセンタエキスには、分かっているだけでもこんなにたくさんの効果があります!
紫外線防止効果
- 保湿効果の高いプラセンタエキスは、お肌の保水性を高める効果が期待できます。そのため日焼けによる水分量の低下を防ぎ、角質へのダメージを防いでくれます。
- プラセンタエキスには活性酸素を除去する作用があり、シミの原因となるメラニンの発生を抑制する効果があります。
- プラセンタエキスには発生したメラニン色素を押し出す作用があり、古い角質と共に除去してくれます。
- お肌を熱や紫外線から守ってくれるプラセンタエキスは、皮膚の炎症予防や鎮静作用効果が期待できます。
肌表面を健やかに保つ
- プラセンタエキスには天然のアミノ酸が豊富に含まれています。そのため、保水性が高く、角質の水分を保つ働きをしてくれます。
- プラセンタエキスの保湿効果は、固くなった角質をほぐす効果も期待できます。そのため古い角質の代謝を促進し、お肌のターンオーバーを促す作用があります。
お肌の老化を防ぐ
- お肌の血行を良くする作用があるプラセンタエキスは、お肌の栄養分や水分を、細胞レベルで補ってくれます。そのため、お肌は内側から潤うことができるのです。
- プラセンタエキス効果で血行が良くなったお肌は、老廃物の排出もスムーズになります。そのため真皮層の活動も活発になり、若々しいお肌が保てるようになります。
- 血行促進されたお肌は、細胞の呼吸も活発になります。酸素が行き渡った細胞は代謝も良くなり、新しい皮膚の生成が進み、好循環を生み出します。
代謝の良いお肌でくすみも解消
- お肌の代謝が滞ると、ニキビ痕なども治りにくくなります。プラセンタエキスは若い肌組織である肉芽の形成にも働きかけ、ニキビや傷でくすんでしまった表皮の再生も促してくれます。
アレルギーを抑える
- 人体を生成する成分が豊富なプラセンタエキスは、免疫力を高める作用があります。そのため、過剰に分泌される免疫細胞を抑制し、アレルギー反応を抑える効果があると言われています。
湿疹や過敏性皮膚炎など皮膚疾患の治療にも用いられているプラセンタですが、お肌が持つ本来の機能を高めることで、美容効果も期待できるのです。
プラセンタエキスが配合されているはウソ!?
近年のアンチエイジングブームを背景に、世間ではプラセンタエキスを配合した商品が大変注目を浴びています。しかし、プラセンタエキスは大量生産できる成分ではありません。実はプラセンタエキス配合商品の中には、植物由来の原料を使用したものや、魚の卵巣膜由来の原料を使用したものが存在します。
これらは人や動物由来のプラセンタエキスとは異なる成分です。また、人や動物由来の原料を使用したプラセンタエキスでも、濃度や純度が低ければ効果は期待できません。
プラセンタエキス配合の商品を選ぶ際は、濃度や純度、原料の違いを理解してお選びください。
最後に
プラセンタはもともと、赤ちゃんとお母さんをつなぐ大切な胎盤です。お母さんのおなかにいる間、赤ちゃんはすべての栄養分を胎盤から吸収します。また、臓器が完全には出来上がっていない赤ちゃんは、排泄も胎盤を通して行います。一人の人間を作りだすほどの大役を果たす胎盤ですから、人間にとって必要な栄養が揃っているもの当然のことです。
体の調子を整えお肌の健康も守ってくれるプラセンタエキスは、健康の問題だけではなく、外見のコンプレックス解消にも心強い存在と言えそうです。