若い頃は何もしなくても、お肌がパンパンでハリがあったな。
年齢を重ねると、これまで当たり前だと思っていたことが徐々に失われていきます。
お肌の美しさもその一つ。
若い頃はノーメイクでも血色の良かった顔が、いつの間にかくすんで暗くなってしまった!なんて悲しいことが起きるのです。
お肌のコンディションはどうしてこんなに変化してしまうのでしょうか?それにはターンオーバーという、お肌が生まれ変わる仕組みが関係しています。
加齢によって衰えてしまうターンオーバー機能ですが、どうやら年齢だけが原因ではなさそうです。
見た目の若さにも大きく関係してくるお肌のターンオーバー。
その実態と対策方法を探ってみましょう!
美肌の基本!ターンオーバー
最近では当たり前のように耳にするようになった「ターンオーバー」という言葉ですが、どんな意味なのか知っていますか?
ターンオーバーとは、皮膚が生まれてから角質となって剥がれ落ちるまでの一連のサイクルのことです。
ザックリ言うと、皮膚が生まれ変わるサイクルのことです。
そしてターンオーバーには、理想的とされる周期があります。
皮膚が生まれ変わる一連のサイクルであるターンオーバーの周期は、一般的には4週間(28日間)だと言われています。
この4週間という時間が、皮膚にとっての一生なのです。
28日の間に起きること
私たちの皮膚は表皮・真皮・皮下組織の3層構造になっていて、一番外側にあるのが表皮です。
ターンオーバーはこの表皮で繰り返される現象なのですが、皮膚の一生は表皮の一番下にある基底層から始まります。
基底細胞は分裂すると基底層から離れ、皮膚表面に向かって押し出されていきます。
有棘層(ゆうきょくそう)、顆粒層(かりゅうそう)と進んでいき、2週間かけて一番外側の表層(ひょうそう)に辿り着きます。
表層までたどり着いた細胞は分裂が終わり、無核の角層に変化します。
角層はしばらくの間皮膚の表面を守るのですが、2週間程で古い角質となり、剥がれ落ちてその生涯を終えます。
ターンオーバーが遅れるとどうなるの?
定期的に繰り返されるターンオーバーですが、いくつかの要因で周期が不規則になることがあります。
ターンオーバーの周期が乱れるとどんなことが起こるのでしょうか?
ターンオーバーの周期が遅れたお肌に起こるトラブルを見てみましょう。
見た目に影響するターンオーバー周期の遅れ
ターンオーバーは加齢によっても周期が遅くなります。
それはごく自然なことなので特に問題視する必要はありませんが、比較的早い年齢からターンオーバーが遅い人には、さまざまな肌トラブルが起こります。
■シミが増える
ターンオーバーには、皮膚の内側で発生したメラニン色素を外に排出する役割があります。
しかしこの周期が遅れるとメラニン色素が皮膚内に留まり、シミとなって見た目も老けた印象になります。
■ニキビができやすくなる
古くなった角質の排出が滞ることで、行き場を失った角質は毛穴に詰まりやすくなります。
毛穴にはアクネ菌(ニキビ菌)という常在菌が住んでおり、詰まった角質をエサにして活動を活発にします。
その結果、お肌はニキビができやすい状態になるのです。
■毛穴が目立つ
古くなった角質が毛穴に詰まると、毛穴自体も開いて目立つようになります。
黒いポツポツに変化することもある厄介者です。
■お肌のキメが粗くなる
古い角質を適度に排出できなくなるターンオーバーの乱れは、角質を厚くし、お肌のキメも粗くなってしまいます。
「人の印象は見た目が9割」なんて言われていますが、ターンオーバー周期が遅れると、見た目に影響する肌トラブルを引き起こしてしまうのです。
原因はなに?
ターンオーバーは加齢が原因で乱れると言われていますが、加齢のほかにも外的なストレスや、ホルモンバランス変化も原因だと考えられています。
■外的ストレス
過度に受けた紫外線や衣類との摩擦は、お肌にとってストレスとなります。
このような外的ストレスは角質層を厚くする原因であり、厚くなった角質は剥がれ落ちにくくなります。
その結果、ターンオーバーを遅らせる原因となるのです。
またメイク落としが不十分な場合も、角質が剥がれ落ちずターンオーバーを阻害しますので注意が必要です。
■内的ストレス
栄養バランスの偏りやホルモンバランスの乱れも、ターンオーバー周期を遅らせる原因とされています。
お肌の生成に必要な栄養が足りていないときや睡眠不足、精神的ストレスなどはホルモンバランスを崩してしまいます。
そしてホルモンバランスの乱れは、ターンオーバーに悪影響を与えてしまうのです。
対策方法はあるの?
ターンオーバーのお遅れを改善するためには、お肌のストレスを解消する必要があります。
外的ストレスを解消するためには、お肌を清潔に保つことや充分な保湿が大切です。
また内的ストレスを解消するには、バランスの良い食事を心掛けることや夜更かしを避けるなど、日常生活の改善が効果的と言えます。
早すぎてもだめ?未熟なお肌を生む周期
ターンオーバーが遅くなると、お肌はさまざまなダメージを受けてしまいます。
ではターンオーバーは、早い方が良いのでしょうか?
実は、一概にそうだとは言えません。
ターンオーバーが早すぎるお肌は細胞が未熟で、その細胞からできた角質層はバリア機能が弱いのだそうです。
原因はなに?
ターンオーバーが早くなる原因には、以下のことが挙げられます。
■角質を取り過ぎる
お肌のくすみ改善などを目的に、せっせとピーリングをする方もいると思います。
しかしピーリングや過度な洗顔で角質を落とし過ぎると、肌細胞は未熟なまま表皮に押し出されてしまいます。
■栄養バランスの乱れ
必要な栄養が足りていないと、体は成長することができません。
これは肌細胞にも言えることです。
■ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスが乱れると、ターンオーバーを遅らせるだけではなく、早めることもあります。
お肌を保つために欠かせないホルモンですが、バランスが乱れたホルモンはお肌に悪影響を及ぼす存在でもあるのです。
対策方法はあるの?
早くなりすぎたターンオーバー周期を改善するには、数か月単位の時間が掛かると言われています。
早すぎるターンオーバーを正常な周期に戻すためには、お肌のバリア機能を回復させる必要があるからです。
では、どのような方法でバリア機能を回復できるのでしょうか?
■洗いすぎない
刺激の強い洗顔料やゴシゴシ洗いは、バリア機能の大敵です!
汚れを落とすことはお肌にとって大切ですが、洗いすぎて必要な皮脂膜まで落としてしまうと、バリア機能の低下につながります。
また、油分の多い化粧品も洗いすぎを招きやすいので、化粧品を選ぶときには注意してください。
■保湿をしっかりする
バリア機能を保つにためには、充分な保湿が欠かせません。
保湿が不十分で乾燥したお肌は外的刺激を受けやすく、一度ダメージを受けると治りも遅い傾向があります。
お肌の水分が足りないと感じるときは、保湿効果の高いケア用品でしっかりと保湿してあげましょう!
■規則正しい生活を心掛ける
栄養バランスの偏った食事や睡眠不足は、お肌に限らす、全身の健康に悪影響を及ぼします。
そして、バランスの良い食事を心掛けることや充分な睡眠をとることは、規則正しい生活習慣からもたらされます。
規則正しい生活習慣は、お肌のバリア機能を高めることにもつながるのです!
まとめ
お肌の再生をつかさどるターンオーバーは、周期が乱れることで多くの肌トラブルを引き起こします。
ターンオーバーを正常に保つことは見た目の印象を良くすることでもあり、女性にとっては日常生活に大きな影響を及ぼす問題です。
過度のストレスや生活習慣の乱れで引き起こされるターンオーバーの乱れは、スキンケアを見直すことや規則正しい生活習慣で改善することができます。
ターンオーバー周期は遅すぎても早すぎてもNGなので、適度な周期が保てるよう日頃から注意しましょう。