紫外線対策は子供の頃からの積み重ねが大切だということは認知されてきているかと思いますが、具体的にどのくらい幼い時から、どのような紫外線対策を行えばよいのでしょうか。
赤ちゃんや子供への紫外線の影響
まずは赤ちゃんや子供への紫外線の影響のお話から。
紫外線は真皮の肌細胞にダメージを与えることで肌機能を低下させ、乾燥などの肌トラブルを引き起こします。
その他にも強い力で肌に炎症を起したり、肌細胞のDNAを壊したりしてしまいます。
紫外線は老若男女全ての人に影響をもたらしますが、乳幼児の肌は大人の肌よりも繊細です。
大人の肌に比べて、乳幼児の肌は表皮の厚さが約半分ほど。
また、皮脂の分泌量も生後2ヶ月くらいまでは多いのですが、生後2、3ヶ月〜思春期に突入するまではかなり少なく大人の約半分ほどしか分泌されません。
皮脂の分泌量が不十分だと皮脂膜がうまく形成されず、肌のバリア機能が働かずに外部からの刺激に敏感になりがちです。
そんな繊細な赤ちゃんや子供の肌を対策が不十分なまま紫外線にさらしてしまうと、湿疹や炎症などの深刻な肌ダメージにつながる恐れがあります。
ただ、太陽光はビタミンDの生成を促した、自律神経を整える手助けをしてくれますし、お散歩や外遊びは子供の心と体の発達に貢献してくれるので是非とも生活に取り入れたいもの。
しっかりとした対策で、紫外線を上手にコントロールしましょう。
乳幼児の紫外線対策
紫外線対策として必ず押さえておきたいのが正しい日焼け止めの選び方と使用方法です。
乳幼児の日焼け止めの選び方
乳幼児の日焼け止めを選ぶ時には使用できる月齢、使用されている成分や数値、簡単に落とせるかどうかの3項目をチェックしましょう。
(1)使用できる月齢をチェック
日焼け止めを赤ちゃんに使用する際には、必ず使用できる月齢目安を確認しましょう。
商品によって異なりますが、『3ヶ月〜』や『6ヶ月〜』などの表記があります。
それぞれの月齢に見合った日焼け止めを使用しましょう。
ただ、生まれてから2ヶ月くらいの期間、日焼け止めの塗布ができない期間があります。
そのくらいの月齢ですと外に長い時間出ることはほとんどないかと思いますが、お外に出る際にはベビーカーのサンシェードで守ってあげるUVカット加工のおくるみで包んであげるなどの工夫をしましょう。
(2)配合されている成分や数値をチェック
紫外線のブロックに有効な日焼け止めの成分には、大きく分けて「紫外線散乱剤」と「紫外線吸収剤」の2つがあります。
それぞれメリット・デメリットはありますが、赤ちゃんや子供の日焼け止めには肌への刺激や負担ができるだけ少ない、紫外線散乱剤が使われているものが望ましいです。
SPF・PA値も確認しましょう。
SPF値はUVBをどのくらいの時間防いでくれるかという指標です。
一般的にはSPF値が高いもの(SPF50など)には紫外線吸収剤が使われていることが多く、繊細な子供の肌へ使用すると負担になることがあります。
子供は発汗量が多くこまめに塗りなおすことが必要なのでSPF値は18〜20程度のもの、PA値もPA+で日常の外出でのUVAを防いでくれるので十分といえます。
(3)石けんで簡単に落とせる日焼け止めかをチェック
また、日焼け止めを選ぶ際には、石けんで簡単に落とせるタイプかどうかも重要です。
ベビー専用の日焼け止めは石けんで落ちる商品がほとんどなのですが、意外と見落としがちなのが子供に使う日焼け止め。
子供の年齢が上がるにつれて外遊びの時間が長くなったり学校行事で1日中外にいたりすると、大人と同じ日焼け止めを使う機会も増えてきます。
クレンジング剤が必要な日焼け止めを子供に使うのは日焼け止めの洗い残しからの肌トラブルの原因になりますので、必ず石けんのみで落とせる日焼け止めを選びましょう。
乳幼児の日焼け止めの塗り方
日焼け止めはクリームや乳液、スプレーや泡、パウダーなど様々な形状がありますが、子供に塗る際には一度手のひらにとって伸ばしてから塗ります。
その時にはあらかじめ、塗る人の手の平にしっかりと日焼け止めを塗っておくと日焼け止めをきちんと必要な量、子供の肌に馴染ませることができます。
そのまま吹きかけられるスプレータイプも、月齢が低い赤ちゃんですとびっくりしてしまったり、吸い込んでしまったりする恐れがあるので、一度手のひらにスプレーをためてから塗るようにするといいですね。
顎の下から首元やひざ裏など、塗り残しになりやすい部分も丁寧に塗りましょう。
赤ちゃんや子供は発汗量が多いので、朝に塗った日焼け止めは汗ですぐに流れ落ちてしまいます。
大人が塗り直す頻度よりもこまめに、2〜3時間に1回のペースで塗り直すことで紫外線を防ぐことができます。
汗をかいている場合は、柔らかいタオルで押さえるように拭いてあげてから塗りなおすようにしましょう。
初めて日焼け止めを使う際には、パッチテストを行うことを忘れずに。
※パッチテストは入浴後の清潔な状態で、二の腕の内側などに塗り様子を見ます。
すぐの変調がなければそのままにして、24時間後、翌日の入浴前などにもう一度確認してみましょう。
肌に赤みがあるなどの異変があった場合にはすぐに洗い流し、医師へ相談してください。
その他、UVカット仕様のアームカバーやフットカバーはガーゼタイプなど夏でも熱さがこもらない素材のものが販売されています。
ベビー用のサングラスも、機能性が高くなおかつデザインもキュートなものがたくさん販売されています。
大切な子供のお肌の健康を上手に工夫して守ってあげましょう。